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		<title>イタリアを知って日常のストレスを忘れよう</title>
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		<description>イタリアブランドの紹介！またイタリアの観光名所やビジネストークに使える、西欧に関する歴史知識や、食やワインも紹介しています！

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		<dc:language>ja</dc:language>
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		<title>「ローマ帝国とキリスト教編」〜第5話〜　５賢帝の始まり </title>
		<description>☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
　「ローマ帝国とキリスト教編」
　〜第5話〜　５賢帝の始まり



　西暦64年　ローマの大火。ネロ帝がキリスト教徒に迫害を加える。

　西暦68年　第５代皇帝ネロ、自殺する。

　
　

</description>
		<content:encoded><![CDATA[ ☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
<br />　「ローマ帝国とキリスト教編」
<br />　〜第5話〜　５賢帝の始まり
<br />
<br />
<br />
<br />　西暦64年　ローマの大火。ネロ帝がキリスト教徒に迫害を加える。
<br />
<br />　西暦68年　第５代皇帝ネロ、自殺する。
<br />
<br />　
<br />　
<br />
<br />　＝コロッセオの完成＝
<br />
<br />　
<br />　ネロの自殺で、ユリウス・クラウディウス朝は断絶した。
<br />　それからわずか１年あまりで、４人の皇帝が位に就き、次々に失脚して
<br />　いったため西暦69年のことを「四帝乱立の年」と言う。
<br />
<br />　さて、その四帝の最後を飾った（笑）皇帝ウェスパシアヌスは、ローマ
<br />　を代表する観光地の一つでもあるコロッセウムを、建設させた皇帝
<br />　なんです。残念ながら、完成したのは次の皇帝の代なんでけどね！！
<br />
<br />　コロッセオは、約２４０本の柱が、闘技場を覆い巨大な天幕を支えてい
<br />　たり、５万人の人が収容できる客席は、１階の入り口から入って、
<br />　わずか数分で席に着くことができるよう、設計されているんです。
<br />　
<br />　また、現代の劇場のように、エレベーター（手動）や跳ね上げ戸（床に
<br />　設置する可動性のパネル）が設けられ、海戦の催し用に、舞台に水を
<br />　張ることまで、できたと言われています。
<br />
<br />　各層の柱はそれぞれ異なった様式のものですが、上から、コリントス式、
<br />　イオニア式、ドーリス式のギリシャから伝えられた柱で、デザインされて
<br />　います。
<br />
<br />　この競技場で何が行われたのか！！
<br />
<br />　剣闘士と剣闘士が真剣勝負でどちらかが死ぬまで、続けられたのである。
<br />　また人対獣や、ときには訓練も受けていない人を闘牛と戦わせたりした。
<br />　人は常に牛に殺されたという・・・
<br />
<br />　そんな残酷な競技を、ローマ市民は興奮しながら見守ったという。
<br />　
<br />
<br />　＝ポンペイ＝
<br />
<br />
<br />　ナポリの南東およそ20キロのところに、ポンペイという町があった。
<br />　ローマの属州になると、イシス神殿を始とした大規模な神殿や劇場、
<br />　選挙投票所、そして五つの巨大浴場などが、続々と建設された。
<br />
<br />　ローマと同じように水道や道路などの下部構造が整えられ、二万人以上の
<br />　人たちが暮らす都市に、発展していったのである。
<br />
<br />　西暦79年8月24日、ヴェスヴィオ山が大爆発した。噴火当時は、
<br />　何がなんだか分からなかっただろう。今のように、火山について、
<br />　知識がないし、だいいち火山じたい、よく実態を掴めていなかったと思う。
<br />
<br />　ヴェズヴィオ山から煙が出てきたときは、神の怒りではないかと思ったで
<br />　しょう。恐らくお祈りしていた人もいたと思う。
<br />
<br />　やがて、軽石や火山灰が降り始め、空は昼間でも闇となり、元気な人々は、
<br />　この頃に逃げ出した。
<br />
<br />　20.000人のうち、なぜ約1.000人の人々だけが、取り残されてしまったのか？
<br />　実は、火山で亡くなった数は約1.000人ぐらいだと、いわれている。
<br />　20.000人のうち、なぜ約1.000人の人々だけが、取り残されてしまったのか？
<br />
<br />　おそらく、この1.000人の人々には、病人や妊婦といった、逃げ出した
<br />　くても、逃げ出せない状況の人たちだったのではないでしょうか？
<br />
<br />
<br />　博物学者であると同時に、ナポリ湾ミセヌム基地の海軍提督であった大プリ
<br />　ニウスは、ヴェスヴィオ山の噴火を目の当たりにした。そこで彼は、市民を
<br />　援助するため船で向ったが、火山性のガスを吸い込んで、窒息死してしま
<br />　う。
<br />
<br />　また、コロッセオを完成に導いたローマ皇帝ティトゥスは、噴火直後に使者
<br />　を向わせたが、ポンペイの町はすでに跡形もなく、周辺には被災者たちが
<br />　あふれかえっていたという。
<br />
<br />　降り続く火山灰は、街を埋め尽くし、そして、古代ローマ帝国の都市、
<br />　ポンペイは、その時を止めた。18世紀の発掘で見つかるまで・・・
<br />
<br />
<br />　＝５賢帝時代の幕開け＝
<br />
<br />
<br />　ウェスパシアヌスのときに、コロッセオを建設し、次のティトゥスの時代
<br />　に、コロッセオが完成したが、この時代は、ネロの時代に続いて、再び
<br />　ローマが大火したり、疫病が蔓延したり、ポンペイが滅亡したりと、
<br />　運がなかった。
<br />
<br />　ティトゥスの時代はローマも安定し、平和が続いていたが、この運のなさ同
<br />　様に、ティトゥス自身も、疫病に冒され、在位わずか2年で、死んでしまう。
<br />
<br />　その後を継いだドミティアヌスは、残虐な人だったため、妻も裏切り、元老
<br />　院に暗殺されてしまったのである。
<br />　ドミティアヌスが暗殺されると、元老院議員からネルヴァが皇帝になった。
<br />
<br />　だがネルヴァは66歳と高齢で、病を患っていたため、当初は断っていた。
<br />　
<br />　それでも強い推薦により、ネルヴァは第12代の皇帝に就任した。
<br />　まずネルヴァは、無意味に処刑しないことを誓い、ティベリウスの時代から
<br />　あった密告制度を廃止しようとした。
<br />
<br />　ネルヴァの特徴として、なぜかは分からないが、側近に高齢者を用いた。
<br />　コンスルには80歳を超えたルフスや、他にも73歳のプリンナや、65歳の
<br />　アントニヌスなど、60歳以上をあえて選んでいる。
<br />
<br />　そのため、ネルヴァの治世のことを「老人政治」と呼ぶ人もいる（笑）
<br />
<br />　ネルヴァの在位はわずか1年4ヶ月だったが、恐怖政治を廃止し、財政の健全
<br />　化や、水道の整備、貧農への土地の割り当て改革などを行い、再びローマを
<br />　明るく平和な世の中に、変えたのである！！
<br />
<br />　このネルヴァ以降、5人の皇帝を五賢帝と呼び、人類が最も幸福であった時代
<br />　へと突入していくのである・・・つづく 
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>ローマ帝国</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-21T23:11:52+09:00</dc:date>
		<dc:creator>サカサイ　マサカズ</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
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		<link>http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-278.html</link>
		<title>「ローマ帝国とキリスト教編」〜第4話〜　暴君ネロとキリスト教 </title>
		<description>☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
「ローマ帝国とキリスト教編」

　〜第4話〜　暴君ネロとキリスト教



　西暦45年　パウロがキリスト教の伝道旅行を始める。

　西暦54年　４代皇帝　クラウディウスが妻に毒殺される。

　
　</description>
		<content:encoded><![CDATA[ ☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
<br />「ローマ帝国とキリスト教編」
<br />
<br />　〜第4話〜　暴君ネロとキリスト教
<br />
<br />
<br />
<br />　西暦45年　パウロがキリスト教の伝道旅行を始める。
<br />
<br />　西暦54年　４代皇帝　クラウディウスが妻に毒殺される。
<br />
<br />　
<br />　
<br />
<br />　＝ネロ、実母アグリッピナ暗殺＝
<br />
<br />　
<br />　さて今回は、いよいよあのネロの登場です！！
<br />　ネロは、ローマ皇帝の中でも、愚かな皇帝として、その名を残しています。
<br />　しかし、最初から愚かではなかったんです。
<br />
<br />　実母アグリッピナの策略により、ネロはわずか17歳で皇帝の座につくが、
<br />　最初の５年間は、側近である哲学者セネカや、親衛隊長であるブルスの
<br />　二人の後見人により、順調であった。
<br />
<br />　たとえば、解放奴隷の制度を改め、元老院の権威を尊重したり、文書が
<br />　偽造されないように、私文書・公文書の書き方を改めさせ、遺言状の
<br />　書き方も定めた。
<br />
<br />　そして裁判を行うための取り決めも、細かく定められた！！
<br />
<br />　ネロは最初から暴君ではなかったのだ。いつから暴君へと、変貌してしま
<br />　ったのか・・・それは母親アグリッピナが原因である。
<br />
<br />　アグリッピナは息子ネロを思うように操りたいがために、実はセネカや
<br />　ブルスを送り込んだのである。そしてそれはうまくいっていた。しかし
<br />　それではあきたらなくなったアグリッピナは、全権を掌握しようと考えた。
<br />
<br />　さすがのセネカとブルスも、それには拒絶反応を示し、逆にネロの権限を
<br />　強化し始めたのだ！！
<br />
<br />　アグリッピナは怒り狂い、本来なら帝位を継承するはずであったブリタンニ
<br />　クスの後押しを始めた・・・普通息子が皇帝なれば、母親としてはそれでい
<br />　いと思うのだが、欲深い人だと思うのは自分だけだろうか！？
<br />
<br />　この母親の心移りは、ネロにも分かっていた。
<br />　そしてネロは、有名な毒薬調合師に、考え得る最も強力な毒薬を調合させ、
<br />　その日のうちに、同じ食事の席で、毒を盛り、ブリタニンクスは死んだ。
<br />
<br />　また、アグリッピナ自身も、ロードス島に追いやったのである。
<br />　だがネロは、それでも安心できず、ついに実母アグリッピナを、殺すこと
<br />　にした。
<br />
<br />　アグリッピナもそれは予想していたことであり、常日頃から解毒剤を飲ん
<br />　でいたため、毒殺を三度防いでいた。なんていう親子なんでしょ（笑）
<br />
<br />　そこでネロは、甘美な手紙をアグリッピナに送り、ミネルウァ祭に招待
<br />　した。アグリッピナはネロが用意した船に乗ったが、実はこの船は難破
<br />　するように仕組まれていたが、運の良いことに一命は取りとめたのである。
<br />
<br />　それでもあきらめないネロは、解放奴隷にアグリッピナ暗殺を命じ、
<br />　ようやくアグリッピナを殺害することに、成功したのである。
<br />　ネロの胸中はどんなものだったんでしょうかね・・・
<br />
<br />　そして実母殺害から、ネロの心は乱れ始めるのであった。
<br />　
<br />
<br />　＝パウロの宣教旅行＝
<br />
<br />
<br />　前回、イエスの言葉により、回心したパウロは、一転してイエスの教えを
<br />　説き始めた。そんなパウロを見て、みんなが驚いた。イエスの教えを信ずる
<br />　人たちのあいだでは、
<br />
<br />「うそ。この間まで私たちの仲間を縛り上げてた人じゃない」
<br />
<br />「なんか企だてんじゃないのか」
<br />
<br />　おおいに警戒され、疑われもしたが、次第にパウロの真意を知って、疑いを
<br />　解いていく。先に私財を投じて初期教会の設立に貢献したバルナバが、
<br />
<br />「この人は大丈夫。すばらしい仲間だ」
<br />
<br />　と、パウロを弁護してくれたのもおおいに効果があっただろう。エルサレム
<br />　にいた使徒たちもパウロを認知し、これに力を得たパウロは雄弁にイエスの
<br />　教えを語り、宣教に励んだ。
<br />
<br />　ここでパウロは第一回の宣教旅行へと旅立った。このとき同行者として、
<br />　リーダーの一人としてバルナバが同行している。
<br />
<br />　キプロス島を経て、現在のトルコ領アタリアも到り、そこから内陸に入り
<br />　今日のコンヤとその周辺の町々を訪ねている。
<br />
<br />　西暦49年にエルサレムで催された使徒会議は、意味深いものであった。
<br />　出席者はペテロやイエスの弟ヤコブなどエルサレム教会の重鎮たち、そして
<br />　アンタキヤ教会からパウロやバルナバたちが集まった。
<br />
<br />　善じつめれば、この会議のテーマは、異郷のキリスト教徒にも割礼をほどこ
<br />　すべきかであった。より正確に言えば、割礼に代表される律法を固く守るべ
<br />　きかどうかである。
<br />
<br />　パウロの考えは、まずイエス・キリストを信ずること。律法を守るかどうか
<br />　は二義的な問題である。
<br />
<br />　イエス・キリストを信じなければ、律法もなにもないのであり、割礼より先
<br />　にまずイエス・キリストを信じなさい。割礼はユダヤ教にとっては大事なこ
<br />　とであるが、キリスト教はユダヤ教とは違う。
<br />
<br />　パウロなくしてキリスト教なし、という言葉は、パウロの精力的な布教活動
<br />　についてのみ、言われるものではなく、神学的な判断によっても言えること
<br />　であったのである。
<br />
<br />　第二回の宣教旅行ではバルナバと別れ、ギリシャ人の父を持つテモテを連れ
<br />　て行く。このときの旅は陸路を選んでアンタキアからイコニオンに行き、
<br />　イエスの霊に導かれて一気にトロイアへ入った。
<br />
<br />　ここはホメロスの叙事詩で名高い、エーゲ海のトルコ側沿岸の町である。
<br />
<br />　席の温まる暇もなく第三回の宣教旅行に出発する。
<br />　このときもギリシャにまで足を進めているが、滞在が長かったのは三年間い
<br />　たエフェソスである。
<br />
<br />　旅の最後はこのときもエルサレムだったが、数日後、パウロは大きな危険に
<br />　身をさらされる。エルサレムのユダヤ教徒たちは、
<br />
<br />「パウロが来ているのか。勘弁できねえ」
<br />
<br />　宣教の噂は聞こえていただろう。ユダヤ教徒にとっては、目障りな存在だ
<br />　った。近親憎悪のような感情もあったろう。かつてはパリサイ派の信徒で
<br />　あり、彼等の仲間だった。
<br />
<br />　それが転向して、今はイエス・キリストを唱え、律法を無視している。ユダ
<br />　ヤ教徒を切り崩してキリスト教に改宗させている。しかもそのエネルギーは
<br />　ただことではない。
<br />
<br />「憎っくき裏切り者め。殺してやる。」
<br />
<br />　騒動が起き、エルサレムを統治していたローマ兵が駆けつけ、とりあえずパ
<br />　ウロを捕らえて群衆を静めた。
<br />
<br />　それからのやりとりは、イエスの最後に少し似ている。ユダヤ教徒たちは
<br />　「パウロを殺せ」と叫び、ローマの千人隊長、カエサレア在任中のローマ
<br />　総督、ユダヤ王ヘロデス・アグリッパスまでがからんで裁判がおこなわれ
<br />　た。
<br />
<br />　諍いの根本は宗教的な対立であり、ローマの法律に照らし合わせてパウロを
<br />　有罪とする根拠は薄い。
<br />
<br />　パウロはみずからがローマ市民であることを強調し、ローマ皇帝への上訴
<br />　敢行する。
<br />
<br />　すでに身柄はカエサレアに送られていた。そこは駐屯軍の拠点となっていた
<br />　港町であり、パウロは二年間、この町の牢に繋がれ、そののちローマへ
<br />　護送されたのである。
<br />
<br />
<br />　＝ローマの大火＝
<br />
<br />
<br />　さてネロはというと、叔母を安楽死させたり、前皇后オクタヴィアを殺害、
<br />　また、警察長官が自宅で奴隷に殺害されると、主人の殺害を阻止しなかった
<br />　という理由で、なんと家にいた奴隷400人全てが処刑となった。
<br />
<br />　また1回のパーティに400万セステルティウィス（5億円）をかけたり、
<br />　死刑囚の財産はすべて皇帝に遺贈されるという法律を作ったりした。
<br />
<br />　当時ネロは25歳、すでにその体は、中年期を迎えたおっさんのような風貌
<br />　だったという・・・
<br />
<br />　さらにネロは舞台で歌うことを趣味とし、ローマ全土から5000人以上の若者
<br />　を呼び集めて、サクラに仕立て上げた。因みにこのサクラには年間で約1億
<br />　5千万以上の給料が支払われていたという。
<br />
<br />　そんなネロがアンツィオに滞在していた西暦64年7月19日、ローマ市の大競技
<br />　場の一角から火の手があがった。この火事によりローマ市内のほとんどが
<br />　灰燼に帰した。
<br />
<br />　その様子をネロは塔の上から眺め、燃える様を、うっとりと見ていたとい
<br />　う。
<br />　以前からネロには、ローマ市内に黄金宮殿を建設したいという夢があった。
<br />
<br />　しかし、当時のローマにはそんなスペースはなかった。だからこの火事は
<br />　ネロにとって宮殿を建設するチャンスだった！！
<br />
<br />　そこですぐにネロは陣頭指揮をとり、民家や道路なども含め、急ピッチで
<br />　再建がおこなわれ、火事からわずか2年ほどで、以前よりも美しいローマの
<br />　街が甦ったのである。
<br />
<br />　この功績を市民は喜ぶと思っていたネロだったが、彼はあちこちで、この
<br />　火事はネロの仕業だという噂を聞いたのである。
<br />
<br />　このままでは市民の心が離れてしまうと恐れたネロは、なんとキリスト教が
<br />　放火したことにしたのである。完全な濡れ衣である・・・
<br />
<br />　キリスト教は何の罪もないのに、十字架刑にさせられたり、犬やライオンに
<br />　噛み殺されたり、火あぶりにされたりして、大勢の人が処刑されていった
<br />　のである・・・
<br />
<br />　
<br />　＝クォ・ヴァディス＝
<br />
<br />
<br />　「ローマへ行きたい」
<br />
<br />　パウロ年来の念願は思いがけない形で実現することとなった。
<br />　ところどころに寄港しながら長い月日をかけて地中海を行く船は、途中で暴
<br />　風に襲われ、助かる見込みはないように見えたが、パウロが一同を励まし
<br />　た。
<br />
<br />「みなさん、心配ありません。神が守ってくださいます」
<br />
<br />　その言葉どおり、船は難破しながらもマルタ島に漂着する。九死に一生を得
<br />　た同船者たちは、「この男、本当に神がついてるのかもしれない」と思った
<br />　ことだろう。
<br />
<br />　マルタ島で一冬を過ごし、航海によい季節を待って出港、シラクサを経てナ
<br />　ポリ湾に入港した。とうとうローマへ来た。パウロの感慨はひとおしだった
<br />　ろう。
<br />
<br />　ローマ帝国はすでにネロの治世に入っていた。パウロはここでも宣教に励
<br />　む。
<br />　この時期ペテロもローマに来ていたから、二人はあいまみえることもあった
<br />　だろう。
<br />
<br />　やがて暴君ネロのキリスト教徒迫害が始まる。つまびらかな記録は残されて
<br />　いないが、西暦64年頃、パウロはローマで捕えられ、剣で首を刎ねられて
<br />　殉教、波乱に満ちた生涯を閉じたのである。
<br />
<br />
<br />　もう一人の雄ペテロは、ローマの大火を逃れてアッピア街道を急いでいた。
<br />　迫害を恐れての脱出だった。突然、朝霧の中に主イエスの姿が浮かんだ。
<br />　ペテロは叫んだ。
<br />
<br />「ドミネ・クオ・ヴァディス」
<br />
<br />　主よ、どこに行かれるのですか、の意である。イエスは答えた。
<br />
<br />「あなたが私の子等を見捨てるのならば、私がローマへ行き、もう一度十字架
<br />　に懸かろう」
<br />
<br />　ローマにはまだ多くのキリスト教徒たちが残っていた。それを見捨ててはな
<br />　るまい。ペテロは恥じて、いま来た道を引き返す…。
<br />
<br />　ローマに戻ったペテロはネロに捕らえられ、さかさ十字架の刑に処せられて
<br />　殉教する。
<br />
<br />「主イエスと同じ刑罰ではおそれ多いことです」
<br />
<br />　と、みずから望んで、さかさ十字架を選んだのである。
<br />
<br />　バチカン市国の中心にあるサン・ピエトロ寺院はその名の通り、ペテロの墓
<br />　の上に建てられた聖堂だがその広場には、天国の鍵を握ったペテロの像が
<br />　建っている。
<br />
<br />
<br />　＝ネロの最後＝
<br />
<br />
<br />　ネロはローマを再建させ、大火の原因をキリスト教にし、ペテロやパウロを
<br />　処刑にして有頂天になっていた。しかし破滅の時は、確実に近づいていた。
<br />
<br />　まず妻サビナが流産で死んだ。続いて、ネロ暗殺の陰謀が発覚、それがなん
<br />　とセネカの弟子ルカヌスであった。しかもセネカも共犯だという・・・
<br />　ルカヌスとセネカは、死刑となったが、その前に共に自殺してしまった。
<br />
<br />　あの優秀なセネカの自殺は、ローマ市民もネロに対して、我慢の限界に達し
<br />　た。まずガリア州を統治していたウィンデクスが、またヒスパニアのタラコ
<br />　ンネシス属州を統治していたガルバ総督が、反旗を翻した。
<br />
<br />　ネロはそれを聞いて気絶しそうになるが（笑）すぐさま徴兵をかけた。
<br />　しかしそれに応じる者は誰もいなかった・・・仕方なく奴隷をかき集めて、
<br />　頭数だけは揃えたのである。
<br />
<br />　さて、ガルバは、イタリア半島を進軍し、ローマまであと数キロというとこ
<br />　ろまで迫ると、各地の属州総督もガルバに同調し、ネロに反旗を翻した。
<br />　そしてついに、元老院からも「ネロは国家の敵」という宣告を受けた！！
<br />
<br />　慌てたネロは、親衛隊に共に脱出しようと言うが、誰も進み出る者はいな
<br />　かった・・・ネロには最も過酷な死刑がかかせられることとなった。
<br />
<br />　それを知ったネロは、自ら命を絶とうとして、毒薬を飲もうとしたり、
<br />　テヴェレ川に身を投げようとしたが、残念ながら勇気がなく、寸前のところ
<br />　で、止めてしまった。
<br />
<br />　ネロは潜伏先の知人宅で、ついに剣で自分の喉を突いたが、臆病な彼は、
<br />　死ぬのに充分な強さで刺せなかった・・・そこで同行していた秘書官が、
<br />　頚動脈まで、剣を導いてやり、ようやく死ぬことができたのである・・・
<br />
<br />　無実なキリスト教徒を、残酷な刑で処刑にしたり、わがままでやりたい放題
<br />　のネロに、同情の余地はないでしょう・・・つづく
<br />
<br />
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>ローマ帝国</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-19T22:09:30+09:00</dc:date>
		<dc:creator>サカサイ　マサカズ</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-277.html">
		<link>http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-277.html</link>
		<title>「ローマ帝国とキリスト教編」〜第3話〜第４代皇帝クラウディウスとパウロ </title>
		<description>☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
　「ローマ帝国とキリスト教編」
　〜第3話〜　第４代皇帝クラウディウスとパウロ


　西暦41年　３代皇帝　カリグラが暗殺される

　
　
　＝女運のなかった男クラウディウス＝


　クラウディウ</description>
		<content:encoded><![CDATA[ ☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
<br />　「ローマ帝国とキリスト教編」
<br />　〜第3話〜　第４代皇帝クラウディウスとパウロ
<br />
<br />
<br />　西暦41年　３代皇帝　カリグラが暗殺される
<br />
<br />　
<br />　
<br />　＝女運のなかった男クラウディウス＝
<br />
<br />
<br />　クラウディウスが皇帝になったときは、すでに51歳のおじさんでした（笑）
<br />　小心者だったクラウディウスが就任してすぐに行ったことは、親衛隊の買収
<br />　だった。
<br />
<br />　自分に忠誠を誓うことを条件に、全ての親衛隊員に１万セステルティウス
<br />　（約125万円）を与えると約束した。
<br />　皇帝が、兵士に賄賂を送ったのは、クラウディウスが最初である。
<br />
<br />　クラウディウスは前皇帝だったカリグラの大盤振る舞いにより、食糧難に
<br />　なっていた食料の確保を最優先した。
<br />
<br />　ローマには小麦が８日分しかなく、新たに小麦を収穫し、ローマに運ばれる
<br />　までには、２ヶ月以上かかる。しかしこのピンチをなんとか乗り切ると、
<br />　クラウディウスは、小麦不足問題を、根本的に解決しようと腰を上げた。
<br />
<br />　ローマ周辺では小麦はたくさん栽培されていたのに、しばしば小麦不足が
<br />　おこるのは、輸送に問題があった。クラウディウスは、取り急ぎ港を整備
<br />　し、200隻以上の大型船が停泊できるようにした。
<br />
<br />　実はこの問題は、カエサルの時代からの難問だったが、その難問を解決し、
<br />　ブリタニア地方の領土拡大や、財政の健全化、司法改革など、それまでの
<br />　皇帝が出来なかった大事業を、いとも簡単に達成したのだ。
<br />
<br />　それでも、カエサルやアウグストゥスより、劣る政治家であった！！
<br />
<br />　それは欠点も数多くあったからだ。その欠点とは、暗殺を恐れて、ちょっと　
<br />　した危険人物に対して、すぐに処刑をするような小心者だったからだ。
<br />
<br />　さらに彼には私生活面で、恵まれていなかった。
<br />　それはどんなことで、恵まれなかったのだろうか！！
<br />
<br />　1.初代皇帝アウグストゥスの孫娘と婚約したが、アウグストゥスにより、
<br />　　破談させられた。
<br />
<br />　2.偉大な将軍カミルスの血を引くカミラと婚約したが、結婚式当日に急死
<br />　　した。
<br />
<br />　3.最初の妻ブラウティア・ウルグラニラは、不倫を繰り返したあげく、
<br />　　殺人を犯したため、離婚した。
<br />
<br />　4.２度目の妻ウァレリア・メッサリナも、不倫を繰り返し、気に入らない
<br />　　人物はクラウディウスを操って、抹殺した。更にガイウス・シリウスと
<br />　　結婚してしまい、重婚の罪で、死刑に処した。
<br />
<br />　
<br />　まあなんと、女運のない人なんでしょう・・・こんな人生ってあるんです
<br />　ね！
<br />
<br />　しかしクラウディウスはこれでも懲りずに、アグリッピナと恋におち、結婚
<br />　をする。これが、悲劇の始まりだった。
<br />
<br />　このときクラウディウスは58歳、妻アグリッピナは33歳で、彼女には連れ子
<br />　が二人いた。そのうちの一人があの、ネロである！！
<br />
<br />　クラウディウスは結婚してしばらくしてから、アグリッピナの結婚を後悔し
<br />　た。
<br />　なぜなら、アグリッピナの狙いは息子ネロを皇帝につけることであり、
<br />　遅まきながら彼にもそれがわかったからである。
<br />
<br />　クラウディウスが知ったと同時に、アグリッピナも見破られたことを知り、
<br />　恐れおののいた。我が子を皇帝にするという夢まで、あともう少しなのに、
<br />　このまま引き下がるわけにはいかない。
<br />
<br />　そして行動を起こした・・・
<br />
<br />　クラウディウスが聖職者たちと食事をしているとき、アグリッピナは彼の
<br />　大好物であるキノコを、毒入りキノコにすげ替えた。
<br />
<br />　クラウディウスは毒入りキノコを口に運んだが、激痛がはしり、全て吐き出
<br />　してしまった。しかし、それでもアグリッピナはあきらめなかった！！
<br />
<br />　クラウディウスが調子を崩し、ベッドに横になっているところに、アグリッ
<br />　ピナは、介抱すると見せかけ、再び彼の口に毒を注ぎ込んだ。
<br />
<br />　クラウディウスは、一晩中もだえ苦しんだのち、夜明け前に息を引き取った
<br />　のである。時に西暦54年10月13日、享年64歳・・・
<br />
<br />　アグリッピナはついに念願の目的を果たし、我が子ネロを皇帝にさせる夢を
<br />　実現させたのである・・・だが、この親子に幸せはなかった。
<br />
<br />　
<br />
<br />
<br />　＝パウロの回心＝　
<br />
<br />
<br />　パウロについてはタルソス生まれのユダヤ人、幼いときからパリサイ派の
<br />　教育を受け、熱烈なユダヤ教徒であった。ギリシャ語を話し、ローマの市民
<br />　権を持っていた。
<br />
<br />　パウロの生年は確定できないが、イエスより年下、西暦の一桁くらいが推定
<br />　されている。当時ローマの権勢は広く強く、充分に地中海世界に浸透して
<br />　いた。
<br />
<br />　ローマは支配下の都市に住む有力な異国人に対し、おそらく懐柔のためで
<br />　あろうが、ローマ市民権を与えることがあって、パウロの生家はその栄誉を
<br />　受けていた。
<br />
<br />　パリサイ派はユダヤ教の中でもとくに律法に厳しく、布教に熱心な一派で
<br />　あった。
<br />
<br />　その教えを受けたパウロは、律法を守ることにおいては落ち度のない者で
<br />　あり、同年配の者に勝っていたのである。筋金入りのユダヤ教徒だった
<br />　から、イエスの教えに従う人たちを見て、
<br />
<br />　「なんだ、ヘンテコなものがはやり始めたな。けしからん」
<br />
<br />　しばらくはその弾圧の急先鋒となってキリスト教徒を迫害していた。
<br />　まったくの話、どこかにキリスト教徒が隠れていると聞けば、大祭司の
<br />　命令を受け、わざわざ出向いていって捕捉連行するなど、徹底した弾圧者
<br />　だったのである。
<br />
<br />　殉教者ステパノの殺害にも彼は加わっている。
<br />
<br />　あるとき、パウロはエルサレムを出て、キリスト教徒を迫害するため、
<br />　ダマスコへ向かった。この地帯特有の岩砂漠の道を急ぎ、パウロたちの
<br />　一行がダマスコの近くまで来たとき、突然、天から光が射し、彼を包んだ。
<br />
<br />　パウロが地に倒れると、声が聞こえた。
<br />
<br />「サウロ、サウロ、なぜ私を迫害するのか」
<br />
<br />　サウロというのはパウロのヘブライ系の名前である。
<br />
<br />「あなたは…だれですか」
<br />
<br />　声は天から降り落ちて来た。
<br />
<br />「私は、あなたが迫害しているイエスである。起きて町へ入れ。あなたの
<br />　なすべきことが知らされるだろう」
<br />
<br />　声ばかりが聞こえて姿は見えない。神の啓示だろうか。パウロは立ち上が
<br />　り、目を開けたが、なにも見えない。同行者がパウロの手を引いてダマスコ　の町へ入った。
<br />
<br />
<br />　お話変わってダマスコの町にアナニヤという男が住んでいた。キリストの
<br />　教えを守る忠実な信徒だった。前後の事情はよくわからないが、幻の中に
<br />　イエスが現れ、
<br />
<br />　「アナニヤよ」
<br />
<br />　と呼びかける。
<br />
<br />　「ここにおります」
<br />
<br />　「立って、直線通りへ行け。ユダの家でタルソス生まれのサウロが祈って
<br />　いる。その男は目が見えない。あなたが行って、手を置けば、目が見える
<br />　ようになる。彼はそれを待っている」
<br />
<br />　アナニヤはタルソス生まれのサウロと聞いて驚いた。
<br />
<br />　「その男は迫害者です。わるい噂をたくさん聞きました。あなたの教えを
<br />　守る人々を捕らえるためにやって来たのです」
<br />
<br />　だがイエスは肯じない。
<br />
<br />　「行け、その男こそ私が選んだ者なのだ。異国の民に、諸国の王に、そして
<br />　イスラエルの子らに私の名を伝えるために選んだ器なのだ。私の名を伝える
<br />　ためにどれほどの苦難を負わなくてはならないか、私が彼に示そう」
<br />
<br />　こう告げて幻は消えた。
<br />　アナニヤは直線通りのユダの家を捜して訪ねた。
<br />
<br />　「ごめんください」
<br />
<br />　ユダの家にはたしかに目の見えない男がいた。三日三晩、食事もせずに臥せ
<br />　ていた。アナニヤが事情を話し、イエスの幻に命じられた通りに、パウロの
<br />　手の上に自分の手を置き、
<br />
<br />　「主イエスが私をお遣わしになったのです」
<br />
<br />　と告げると、パウロの眼から鱗のようなものが落ち、たちまち眼が見えるよ
<br />　うになった。感動したパウロは洗礼を受け、食事をして元気を取り戻した。
<br />
<br />　パウロの回心と言われる奇蹟である。・・・つづく
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />　さて、次回は、第5代皇帝ネロがおこなったキリスト教の迫害を中心に、
<br />　お話ししたいと思います。お楽しみに〜 
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>ローマ帝国</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-18T22:34:28+09:00</dc:date>
		<dc:creator>サカサイ　マサカズ</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-276.html">
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		<title>「ローマ帝国とキリスト教編」〜第2話〜　ローマ帝国繁栄の中、ペテロ立つ</title>
		<description>☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
　「ローマ帝国とキリスト教編」
　〜第2話〜　ローマ帝国繁栄の中、ペテロ立つ



　西暦14年　　　　　初代皇帝アウグストゥス、肺炎により死亡
　　　　　　　　　　
　西暦28年　　　　　このころ。パレスチナでイエスが伝道を始める。
</description>
		<content:encoded><![CDATA[ ☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
<br />　「ローマ帝国とキリスト教編」
<br />　〜第2話〜　ローマ帝国繁栄の中、ペテロ立つ
<br />
<br />
<br />
<br />　西暦14年　　　　　初代皇帝アウグストゥス、肺炎により死亡
<br />　　　　　　　　　　
<br />　西暦28年　　　　　このころ。パレスチナでイエスが伝道を始める。
<br />
<br />　西暦30年　　　　　イエスがエルサレムのゴルゴダの丘で磔刑に処する。
<br />　
<br />　西暦37年　　　　　第２代皇帝ティベリウス病死
<br />　
<br />　
<br />　＝第３代皇帝　カリグラ＝
<br />
<br />
<br />　カリグラは、父親のゲルマニクスがローマ第８軍団総司令官として、
<br />　ゲルマニアに赴任していたときに生まれた子だが、よちよち歩きの頃で、
<br />　大きな軍靴（カリグラ）を履いていたことから、そう呼ばれていた。
<br />
<br />　そんなカリグラは、ティベリウスの跡を継いで、皇帝になるが、ローマ市民
<br />　は、圧倒的支持で、迎え入れたのである。もちろん、ティベリウスの晩年の
<br />　愚かな行為に耐えたことも、支持された理由としてあるだろう。
<br />
<br />　だが、カリグラには、持って生まれたカリスマ性も兼ね備えていた。
<br />　兵士たちにとって、幼いカリグラはマスコット的存在でもあったからだ。
<br />　そう、カリグラが皇帝になったときは、まだ２４歳という若さだった。
<br />
<br />　そしてさらに、市民の人気を得たのが、大盤振る舞いだった！！
<br />
<br />　ティベリウスは、節約家で有名であったが、そのティベリウスの時代の国庫
<br />　の黒字、約3400億円を、皇帝就任とともに、分け与えたのである。
<br />
<br />　市民全員に約４万円を与え、親衛隊兵士には約２５万円が払われたので
<br />　ある。
<br />　市民はいやが上にも、カリグラを支持するのは、当然だったろう。
<br />
<br />　又、競売税を廃止したり、火事で焼け出されたときには、その損害を補償
<br />　した。
<br />　さらに、ポンペイウス劇場が美しく整えられたり、厳しく開催が制限されて
<br />　いた剣闘士競技や演劇が、さかんに開かれるようになったのである。
<br />
<br />　そんなカリグラも就任して６ヶ月後に、２ヶ月間病に倒れると、その間の
<br />　ことが不安になり、徐々に異常をきたしていく行為を行うようになる。
<br />
<br />　ティベリウス同様、どうも、頂点に立つと、裏切り行為を恐れるようになる
<br />　ようだ。
<br />
<br />　さて、異常な行為とは、どんなことをしたのか！！
<br />
<br />　1.自分が病床についていたときに、政治を取り仕切ってくれた腹心たちを、
<br />　　皇帝の権利の侵害という理由で、断罪した。
<br />
<br />　2.自分は神の子だと称し、ギリシャからゼウス神の巨像をローマに運ばせ、
<br />　　その首を自分の首にすげ替えさせようとした。
<br />
<br />　3.身内を、自殺させたり、惨殺した。
<br />
<br />　4.自分の妹を全員犯した。その中のドルシラが死ぬと、国民全員に喪に
<br />　　服するよう命じ、その間は家族揃って、食事を摂り談笑しただけで、
<br />　　死刑となった。
<br />
<br />　5.気に入らない元老院議員たちを、無実の罪で処刑した。
<br />
<br />　このような愚かな行為が続けられていた。当然、こんな異常なことが続け
<br />　ば、カリグラを殺そうと思う者も、出てくる。だが、悪運強いカリグラは、
<br />　寸前のところで、暗殺を逃れていたのである・・・
<br />
<br />　しかし、神はカリグラを許さなかった。
<br />
<br />　ある日彼は、占い師からカッシウスに注意するように言われた。
<br />　カリグラは驚いて、アシア知事をしていたカッシウス・ロンギヌスの元に
<br />　刺客を送った。
<br />
<br />　しかしカッシウスという名は、他にもいて、実際に殺害を企てていたのは、
<br />　二人の親衛隊幹部であったのだ！！
<br />
<br />　二人の親衛隊幹部は、占い師の話しを聞いて、自分たちは殺されると考えて　いた。そこで二人は結託して、仲間たちとカリグラ暗殺の計画を立てたの
<br />　である。
<br />
<br />　すでに暗殺を未然に防いだと思っていたカリグラは、呑気に演劇を鑑賞して
<br />　劇場を出ると、アシアから呼び寄せた芸人の練習風景に足を止めた。
<br />
<br />　そのとき副官が背後から忍び寄り、彼の首元に剣を突き刺した。
<br />　それに続いてもう一人の副官サビヌスが、彼の胸に剣を突き立てたので
<br />　ある。
<br />
<br />　カリグラは血を嫌というほど吐き散らしながら、地面に崩れ落ちた！！
<br />　
<br />　西暦４１年１月２４日、享年２９歳であった・・・
<br />
<br />　カリグラ死すの報告に、人々が歓声を上げたのは言うまでもない！！
<br />
<br />
<br />　＝ローマ初代法王　ペテロ＝　
<br />
<br />
<br />「俺にはこの道をまっとうするほかない」
<br />
<br />　一途な性格だけに、決心すれば強い。
<br />　ペテロはまず、イスカリオテのユダが抜けたあとを、補充しなければ
<br />　ならなかった。
<br />
<br />　バルサバとマッテヤの二人が候補として推薦され、祈りの後でくじを
<br />　引いて、マッテヤが十二人の使徒の一人となった。
<br />
<br />　初期キリスト教会でもっとも重要な職務を担う人たちの謂いで、一般には
<br />　イエスの直弟子十一人とこのマッテヤ、それにイエスの弟、ヤコブ、そして
<br />　パウロとバルナバなどに限られている。
<br />
<br />　イエスの弟であるヤコブがいつごろから福音に伝えるグループに加わった
<br />　か！
<br />
<br />　少なくともイエスの生前にはさほど顕著な存在ではなかったが、やはり
<br />　血縁者であるという強みがものを言って、めきめき頭角を現し、ペテロに
<br />　匹敵する立場を占めるようになったようである。
<br />
<br />　これらの人々が中心となってキリスト教とキリスト教会が成立し、多くの
<br />　困難にあいながらも勢力を伸ばしていったのである。
<br />
<br />　ここから、聖書は新しい部分に入る。
<br />　イエスの亡き後、直弟子によるキリスト教がどう成立し、どう伝えられて
<br />　いったか、という物語に入っていきます。
<br />
<br />　イエスが十字架に懸けられてから五十日が過ぎた日…それは五旬節の当日で
<br />　あったが、ペテロたちが集まって、いろいろ話し合い、結束を固めていた。
<br />
<br />　そのとき突然、激しい嵐が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っ
<br />　ていた家中に響いた。そして炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人
<br />　の上にとどまった。
<br />
<br />　すると、一同は聖霊に満たされ、霊が語らせるままに、ほかの国々の言葉で
<br />　話し出した。だが、この舌のおかげで、一種の同時通訳的なシステムがそこ
<br />　に誕生したらしい。
<br />
<br />　「ユダヤのみなさん、エルサレムに住む、すべてのかたがた、どうか知って
<br />　いただきたい。私たちは酒に酔っているわけではない。これこそ神の奇蹟な
<br />　のです」
<br />
<br />　ペテロはこう前置きしてから、とうとうと古くからの預言、メシアとしての
<br />　イエス、その復活の意味などを…イエスの福音を述べ伝えた。
<br />
<br />　ペテロの言葉を受け入れて、この日、洗礼を受けた者は三千人。
<br />　一同はパンを引き裂いて祈り、これが記念すべきエルサレム教会の発足と
<br />　なった。
<br />
<br />　ペテロは、リダという町で中風にかかった女を治し、ヤッファに到って
<br />　死人を生き返らせる。
<br />
<br />　布教が浸透するにつれ、迫害もまたおこなわれた。ステパノに加えられた
<br />　迫害などを見た信徒たちが各地へと散る。そしてそれは「地の果てまで
<br />　教えを伝えよ」
<br />　というイエスの指示にも適っていた。
<br />
<br />　それまではユダヤ教の一派くらいに思われていたキリスト教が、カイサリア
<br />　からさらに北方に五百キロほどにあるアンタキアで、最初のキリスト教会、
<br />　通称、洞窟教会が建てられ、はじめて新しい宗教として周囲に認められた。
<br />
<br />　キリスト教徒（クリスティアノイ）という呼び名はこの地から始まった。
<br />
<br />　そうやって、ペテロは、初期キリスト教会の中心人物として、大きく羽ばた
<br />　いたのである！！・・・つづく
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />　さて、次回は、第4代皇帝クラウディウスとキリスト教パウロのお話し
<br />　です。まだまだ安定しないローマ帝国とキリスト教を、それぞれの
<br />　角度でお伝えしたいと思います。お楽しみに〜 ]]></content:encoded>
		<dc:subject>ローマ帝国</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-17T23:56:34+09:00</dc:date>
		<dc:creator>サカサイ　マサカズ</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-275.html">
		<link>http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-275.html</link>
		<title>「ローマ帝国とキリスト教編」〜第1話〜　ローマ帝国の始まり </title>
		<description>☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
　「ローマ帝国とキリスト教編」
　〜第1話〜　ローマ帝国の始まり



　紀元前27年　　　　オクタヴィアヌスが元老院からアウグストゥスの
　　　　　　　　　　尊称をおくられ、元首政を始める（帝政の始まり）

　西暦28年　　　　　このこ</description>
		<content:encoded><![CDATA[ ☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
<br />　「ローマ帝国とキリスト教編」
<br />　〜第1話〜　ローマ帝国の始まり
<br />
<br />
<br />
<br />　紀元前27年　　　　オクタヴィアヌスが元老院からアウグストゥスの
<br />　　　　　　　　　　尊称をおくられ、元首政を始める（帝政の始まり）
<br />
<br />　西暦28年　　　　　このころ。パレスチナでイエスが伝道を始める。
<br />
<br />　西暦30年　　　　　イエスがエルサレムのゴルゴダの丘で磔刑に処する。
<br />　
<br />　
<br />　
<br />　＝初代皇帝アウグストウスの後継者＝
<br />
<br />
<br />　ついにアウグストゥスが皇帝となり、ローマ帝国が動きだした。
<br />　そんな時代にイエス・キリストが誕生したのも、何か因縁めいたものを
<br />　感じます・・・
<br />
<br />　さて時代を、イエス・キリストが磔刑になる前まで、戻そうと思う。
<br />　「ローマ帝国編」では、アウグストゥスの功績を述べ、「イエス・キリスト
<br />　編」では紀元30年に起きた磔刑と復活をお伝えしてきたが、今回は
<br />　アウグストゥスの晩年から始まる・・・
<br />　
<br />　時は流れ、アウグストゥスも後継者を選ばなければならない時期が
<br />　やってきた。アウグストゥスには、ドルーススとティベリウスという二人の
<br />　息子がいた。息子といっても実子ではない。
<br />
<br />　もちろん、アウグストゥスは実子同然にかわいがったが、特にかわいがった
<br />　のは、ドルーススであった。
<br />
<br />　ドルーススがかわいがられたのは、才能が豊かで、20歳で将軍となり、
<br />　南ゲルマニアの平定に遠征し、ゲルマニア人の多くの部族を従わせることに
<br />　成功するという実績があったからである。
<br />
<br />　ドルーススは国民にも人気があったが、戦闘中の落馬がもとで、その数年後
<br />　に47歳で亡くなってしまったのである。
<br />
<br />　ここから、アウグストゥスの後継者選びに、暗雲が立ち込める・・・
<br />
<br />　ドルーススが死んでも、もう一人、ティベリウスがいる。
<br />　しかし、アウグストゥスはティベリウスの陰気で内気な性格が好きになれな
<br />　かった。
<br />
<br />　そこで娘のユリアの子に期待したが、生まれてすぐに早死にしてしまい、
<br />　心痛めたアウグストゥスは、最も信頼のあるアグリッパと再婚させ、子を
<br />　期待した。
<br />
<br />　アグリッパは、唯一軍事的才能に欠けていたアウグストゥスを、助けた男で
<br />　ある。彼がいなければ、アウグストゥスも皇帝にはなれなかっただろう。
<br />　
<br />　そんなアグリッパに、アウグストゥスは娘を嫁にもらってもらうよう、懇願
<br />　したが、アグリッパには既に妻がいた。だが、皇帝の頼みに、ユリアと
<br />　再婚し、５人の子供が生まれた。
<br />
<br />　よく聞けば、なんとも無茶苦茶な話しである（笑）
<br />
<br />　アグリッパも頑張ったもんである。ユリアと結婚したときは既に
<br />　４２歳・・・
<br />　因みに、ユリアは１８歳だった（笑）えらい年の差カップルだったんです。
<br />
<br />　５人の子のうち３人が男子だったが、紀元２年に長男ガイウス・カエサルが
<br />　戦争による負傷がもとで、死亡（２４歳）、次男ルキウス・カエサルはその
<br />　２年前にすでに死亡していた。
<br />
<br />　また、アグリッパも紀元１２年に死亡したため、残るは三男のポストゥムス
<br />　に望みをかけるしかなかったが、何しろ性格が粗野であるため、追放される
<br />　ということになってしまう・・・
<br />
<br />　アウグストゥスはそれでもティベリウスを指名せず、娘ユリアと結婚させて
<br />　孫に託したのである。だが、ティベリウスとユリアの子は幼くして死んで
<br />　しまう・・とことんついてない！！
<br />
<br />　それが原因かは分からないが、ユリアは愛人を作り、乱交に耽る毎日・・・
<br />　ユリアは姦通罪となり、流刑され、その地で死んだ。
<br />
<br />　これで後継者は、ようやくティベリウスということになるのである・・・
<br />
<br />
<br />　アウグストゥスは生涯に三度結婚した。三度目の妻リヴィアとは、53年間
<br />　の長きに渡って連れ添ったが、子に恵まれず、前妻との間にユリアを得た
<br />　のみであった。
<br />
<br />　このへんは、子が生まれず世継ぎに悩んだ、豊臣秀吉に似ていなくもない。
<br />
<br />　また、アウグストゥスは当時のローマの平均寿命20.5歳を大きく超える
<br />　75歳まで生きた。そして紀元14年8月19日、南イタリアのカンパニア
<br />　地方ノラ近郊にある別荘で、肺炎により亡くなった。
<br />
<br />　偉大な皇帝の最後である・・・そして55歳のティベリウスが、２代目皇帝
<br />　となり、権勢を振るうことになるのである。
<br />
<br />
<br />　＝第２代皇帝　ティベリウス＝　
<br />
<br />　ティベリウスは、万事控えめであり、常に一市民と同じように振舞って
<br />　いた。
<br />　また、様々な栄誉ある賞を辞退し、誹謗中傷も取り締まることはなかった。
<br />
<br />　ティベリウスの功績は、アウグストゥスの時代の領土拡大にかかる莫大な費
<br />　用により、からっぽになっていた国庫の、財政再建を優先事業としたことで
<br />　ある。
<br />
<br />　属州からの徴税強化、有罪判決を受けた富裕者からの財産没収や、間接税の
<br />　導入など、また自らも節約を怠ることはなかった。
<br />
<br />　しかし、財政再建のための節約は、国力は磐石になったものの、元老院や
<br />　市民からは非難を浴びた。そのため、自分の命が危ないと思うようになり、
<br />　もともと陰気な性格が、ますます猜疑心の強い人間へとなってしまう。
<br />
<br />　唯一心を許していた親衛隊長のセヤヌスでさえ、ティベリウスを裏切る行為
<br />　が発覚し、処刑されてしまう。
<br />
<br />　このような追い詰められた状態となった皇帝ティベリウスは、自分の権力を
<br />　使って、先手必勝のごとく、恐怖政治へと突き進んでいく・・・
<br />　人は追い詰められると、愚かな行為を起こすもんなんです！！
<br />
<br />　何をしたか！！
<br />
<br />　1.セヤヌスに加担したとされる元老院63人を処刑した。実際には無実の
<br />　　人もいたらしい・・・
<br />
<br />　2.倒錯した性生活を送る毎日で、男性と快楽に耽った。
<br />
<br />　3.方言を話したり、日常のことを尋ね、答えが気に入らないだけで、処刑や
<br />　　流刑をおこなった。
<br />
<br />　4.自殺未遂者を無理やり延命させた上に、残酷な方法で処刑した。
<br />
<br />　つまりは、毎日が処刑といった日々であったのだ。
<br />
<br />　ティベリウスの晩年は、異常だった。そして彼は紀元37年に、77歳で、
<br />　病死する。当然に、元老院も市民も大いに喜び、歓呼したのである・・・
<br />
<br />
<br />　そしてティベリウスが死ぬ７年前に、イエス・キリストはゴルゴダの丘で
<br />　磔刑となり、この頃、一番弟子のペテロを中心に、初期キリスト教が
<br />　生まれたのである・・・つづく
<br />
<br />
<br />
<br />　さて、次回は、第3代皇帝カリグラとイエスの一番弟子ペテロのお話し
<br />　です。まだまだ安定しないローマ帝国とキリスト教を、それぞれの
<br />　角度でお伝えしたいと思います。お楽しみに〜 
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>ローマ帝国</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-16T22:05:06+09:00</dc:date>
		<dc:creator>サカサイ　マサカズ</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-274.html">
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		<title>「イエス・キリスト編」〜最終話　イエスの死と復活 </title>
		<description>☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
　　「イエス・キリスト編」〜最終話　イエスの死と復活

　一、磔刑

　すでに十字架を立てる穴は掘られていた。兵士たちはイエスに没薬を混ぜた
　葡萄酒を与えたが、イエスは飲まなかった。イエスの衣服を脱がせ、
　くじを引いて分け合い、裸の体を太い釘で十字架に打ちつけた</description>
		<content:encoded><![CDATA[ ☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
<br />　　「イエス・キリスト編」〜最終話　イエスの死と復活
<br />
<br />　一、磔刑
<br />
<br />　すでに十字架を立てる穴は掘られていた。兵士たちはイエスに没薬を混ぜた
<br />　葡萄酒を与えたが、イエスは飲まなかった。イエスの衣服を脱がせ、
<br />　くじを引いて分け合い、裸の体を太い釘で十字架に打ちつけた。
<br />
<br />「うぉぉぉぉーッ」
<br />
<br />　さすがのイエスもあまりの激痛に、叫び声をあげた。
<br />　十字架の頭上には、「ユダヤ人の王イエス」と嘲りの文字が記されている。
<br />　イエスは呟いた。
<br />
<br />「父よ、彼等をお赦しください。自分がなにをしているか知らないのです」
<br />
<br />　と。
<br />
<br />このとき二人の強盗が一緒に十字架に懸けられた。イエスを真ん中にして
<br />左右の位置だった。十字架に懸けられて苦しむイエスを見て、群衆の中から、
<br />
<br />「おい、救世主なんだろ。だったら自分を救ってみろよ」
<br />
<br />　罵りの言葉と一緒に笑いが飛ぶ。見世物を見る気分…。民衆は時としてひど
<br />　く残酷になるものだ。その横で強盗の一人が、
<br />
<br />「まったくだ。ついでに俺たちも救ってくれ」
<br />
<br />　と、眼をむいてイエスを睨んだが、もう一人が相棒をたしなめて、
<br />
<br />「俺たちは当然の報いよ。しかしこの人は何も悪いことをしちゃいない。
<br />
<br />　イエスさんよ、天国に行くときにゃ俺を思い出してくれよな」
<br />
<br />　と懇願した。
<br />
<br />　イエスはやさしい視線を向けて、
<br />
<br />「わかった。あなたは今日私と一緒に楽園に行くだろう」
<br />
<br />　と囁いた。
<br />
<br />　ローマの兵士の中に混じって、イエスを悲しげな表情で見つめている者がい
<br />　た。マグダラのマリアである。マグダラはガリラヤ湖畔の町で、彼女はこの
<br />　町の出身であり、かつては娼婦だったといわれる女性である。
<br />
<br />　しかしイエスと出会って、改心した。彼女は信仰心が厚く、イエスの足を泣
<br />　きながら洗い、自分の髪で拭い、そのけなげな心がイエスに認められて、
<br />　罪が赦された。
<br />
<br />　イエスの公生活の後半に、マグダラのマリアはイエスの近くにいて、親しく
<br />　接していた。イエスの恋人のような存在である。つい最近では、結婚して
<br />　イエスの子を身籠ったという説もある・・・真相は定かではないが。
<br />
<br />　十字架で苦しむイエスを、愛するがゆえの深い悲しみが襲ってくるのを、
<br />　止めることができず、何もできない自分の力のなさに、ただ涙を流すことで
<br />　しかなかった。
<br />
<br />　イエスが十字架に懸けられたのは、午前九時頃。昼の十二時に空も地も
<br />　真っ暗になり、それが三時まで続いた。日蝕かな。太陽は光を失い、異様な
<br />　静けさが漂う。
<br />
<br />　イエスが叫んだ。
<br />
<br />「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」
<br />
<br />　その意味は、「わが神、わが神、なぜ私をお見捨てになるのですか」だが、
<br />　このときイエスの心に去来したものはなんだったのか。
<br />
<br />　群衆は「エリ　エリ」という叫びを聞き違え、
<br />
<br />「エリヤ様を呼んでいるんだ」
<br />
<br />と呟き、偉大な預言者がイエスを救いに来るのを見ようと、暗黒の空を見上げ
<br />たりしていたらしい。
<br />
<br />ローマ兵が葡萄酒を海綿に浸してイエスの口もとに近づけたが、イエスは振り
<br />切った。そして、こう神に懇願した。
<br />
<br />「父よ、私の御手に委ねます」
<br />
<br />　と、声を絞って呟き、息を引き取った。
<br />
<br />イエスが本当に死んだのか確かめるため、わき腹に槍で刺してみた。すると激しく血と水が噴出したという。
<br />イエスの神々しい最後を見届けてローマの百人隊長が、
<br />
<br />「本当にこの人は神の子だった」
<br />
<br />　と呟いたのだった。
<br />イエスの死の瞬間に地震が起こり、神殿の垂れ幕がまっ二つに裂け、人々をおののかせたとか。奇蹟だろうか。時に西暦三十年四月七日午後三時過ぎの出来事である。この夜より、イスラエルは過越しの祭りに入ったのである・・・
<br />
<br />
<br />
<br />　二、イエスの復活
<br />
<br />アリマタヤのヨセフと呼ばれる男がいた。テル・アビブの東にある町の古名である。議員のヨセフと、呼ばれることもあったから、長老の一人として、議会に属していただろう。
<br />
<br />　いずれにせよ、裕福な貴族階級で、エルサレムの有力者であった。
<br />
<br />彼は、ユダヤ教ではあったが、同時にイエスのよき理解者であった。イエスが十字架で息を引き取ったのち、ローマ総督ピラトのもとへ行き、
<br />
<br />「どうぞイエスの屍をお渡しください」
<br />
<br />　と願い出た。
<br />まかりまちがえば、彼自身が糾弾されかねない危険な申し出だった。それができたこと自体、彼がエルサレムの有力者であったという、なによりの証拠だろう。
<br />イエスの弟子たちは、何一つできなかったのだから…。
<br />
<br />「よかろう」
<br />
<br />　ピラトは許可を与えた。
<br />ヨセフは、イエスの遺体を十字架からおろし、きれいな亜麻布で包み、新しい墓に入れ、その墓の入り口に大きな石を置いて塞いだ。
<br />
<br />死体には、香油を塗るのが当時の習慣だったが、このときは安息日の第一夜が、近づいていて、充分な手当てをする時間がなかった。安息日に仕事をするのは禁じられていたからだ。
<br />
<br />のちに安息日が明けるのを待って、女たちがイエスの墓へ行くのは、この香油を注ぐためだった。
<br />
<br />
<br />　安息日が明けると、朝早く女たちはイエスの墓へ向かう。
<br />
<br />墓穴の入り口は、大きな石で塞がれていたはずなのに、ゴロリと脇に転がされ、黒い口がポッカリと開いていた。「どうしたのかしら」中を覗くと、白い衣を着た若者が二人ですわっている。
<br />
<br />「あら」
<br />
<br />　と驚く女たちに、
<br />
<br />「驚くことはない。あの人はここにいない。かねて言われたとおり、復活されたのだ。復活してガリラヤに行かれる。さあ、帰って弟子たちに、そのことを伝えなさい」
<br />
<br />　と告げた。おそらくこの二人は天使だったろう。
<br />マグダラのマリアは、思いもかけない出来事にすっかり動転し、遺体がないことに、涙がこぼれ、ただうろたえるばかり、
<br />
<br />「婦人よ、なぜ泣いているのか。誰をさがしているのか」
<br />
<br />　と、遺体のない墓の近くで男に尋ねられ、マグダラのマリアが、
<br />
<br />「あなたがあの方を運び去ったのでしたら、どこに置いたのかおしえてください。私があの方を引き取ります」
<br />
<br />　と答える。すると男は、親しみの籠もった声で、
<br />
<br />「マリア」
<br />
<br />　と呼ぶ。それがイエスだった。
<br />
<br />イエスとわかったときの彼女の驚きと喜び。とびついてすがりつこうとしたが、イエスは、
<br />
<br />「私にすがりつくのはよしなさい。まだ父のもとへものぼっていないのだから」
<br />
<br />　と制する。イエスとマリアの感動的な再会であった。
<br />どうやらイエスは、復活はまず天上の神に報告すべき重要事項であり、それを
<br />しないうちに、女と愁嘆場などを演じてはいけなかったらしい。
<br />
<br />
<br />　復活したイエスはいろいろなところに現れた。
<br />
<br />エルサレムから西へ十キロほど行ったところに、エマオという村があった。
<br />その近くの街道で、イエスの弟子二人が、復活したイエスと、食事を共にして
<br />いる。
<br />
<br />二人は復活したイエスに会った証人として長く語り伝えられることとなった。
<br />
<br />　また十二人の弟子の一人である、トマスの前にもイエスが現れて、
<br />
<br />「さあ、トマス。あなたの指をここに当ててよく見なさい。私の脇腹にも手を
<br />　伸ばしてみなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい」
<br />
<br />　と、前に立った。
<br />トマスが調べてみると、イエスの手には十字架の釘の跡が、脇腹にはローマ兵の槍で刺された跡がくっきりと残っていた。
<br />
<br />　イエスはさらに付け加えて、
<br />
<br />「トマスよ。私を見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである」
<br />
<br />　と言う。トマスはさぞかしおそれいったことだろう。
<br />
<br />　最後にイエスはペテロたち直近の弟子たちと、ガリラヤで朝食を取り、
<br />　そこで、イエスのこれまでの教えを、広めるよう伝えた。
<br />
<br />　ペテロは改めて自分の使命を自覚した。
<br />
<br />「エルサレムに行こう」とペテロは思った。ガリラヤ湖畔に留まっていては、
<br />　イエスの教えを広めるのがむつかしい。ペテロは仲間たちと一緒にエルサレムへのぼった。
<br />
<br />ペテロの直弟子の一人であるマルコの母、マリアの家がエルサレムにあって、
<br />そこがペテロたちの溜まり乳場となった。それがエルサレムの教会へと発展していくのであった・・・完
<br />
<br />
<br />
<br />イエス・キリスト編・・・いかがでしたでしょうか！？
<br />さて、次回は再びローマへと舞台を戻します。その概要を簡単にお伝えします。
<br />
<br />　「ローマ帝国とキリスト教編」
<br />
<br />ローマ皇帝ネロの迫害により、次々と殉教していくキリスト教の信者たち。
<br />そんな水と油の関係にあった、ローマ帝国とキリスト教が、ついに手を結ぶ瞬間をお見逃しなく！！ 
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>新約聖書</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-09T23:19:51+09:00</dc:date>
		<dc:creator>サカサイ　マサカズ</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-273.html">
		<link>http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-273.html</link>
		<title>「イエス・キリスト編」〜第7話　ビア・ドロローサ（悲しみの道）</title>
		<description>☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
　　「イエス・キリスト編」〜第7話　ビア・ドロローサ（悲しみの道）

　一、ゲッセマネの祈り

　ゲッセマネと呼ばれる園はエルサレムの神殿を囲む城壁の外側にあった。
　キドロンの谷を隔てて西側の黄金門を望む丘である。イエスは２キロ足らず
　の道を歩いてオリーブの林へ</description>
		<content:encoded><![CDATA[ ☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
<br />　　「イエス・キリスト編」〜第7話　ビア・ドロローサ（悲しみの道）
<br />
<br />　一、ゲッセマネの祈り
<br />
<br />　ゲッセマネと呼ばれる園はエルサレムの神殿を囲む城壁の外側にあった。
<br />　キドロンの谷を隔てて西側の黄金門を望む丘である。イエスは２キロ足らず
<br />　の道を歩いてオリーブの林へ入っていく。
<br />
<br />　そしてイエスは弟子たちに
<br />
<br />「わたしが祈っている間、ここに座っていなさい」
<br />
<br />　と言われた。そして、ペテロ、ヤコブ、ヨハネを伴われたが、イエスはひど
<br />　く恐れてもだえ始め、彼らに言われた。
<br />
<br />「わたしは死ぬばかりに悲しい。ここを離れず、目を覚ましていなさい」
<br />
<br />　少し進んで行って地面にひれ伏し、できることなら、この苦しみの時が自分
<br />　から過ぎ去るようにと祈り、こう言われた。
<br />
<br />「アッバ、父よ、あなたはなんでもおできになれます。この杯をわたしから取
<br />　り除けてください。しかしわたしが願うことではなく、御心に適うことが行
<br />　われますように」
<br />
<br />　それから戻って御覧になると、弟子たちは眠っていたので、ペテロに言われ
<br />　た。
<br />
<br />「シモン、眠っているのか。わずか一時も目を覚ましていられなかったのか。
<br />　誘惑に陥られぬよう、目を覚まして祈っていなさい。心は燃えていても、
<br />　肉体は弱い」
<br />
<br />　更に向こうへ行って、同じ言葉で祈られた。
<br />　この夜、イエスは異常と言ってよいほどの恐怖におののいていた。悶え苦し
<br />　んで祈るイエスの体から、汗が血のように地面にしたたり落ちた。
<br />
<br />　明日は十字架に懸かる…神の子であることを確信し、自分の使命についても
<br />　明確な展望を持っていたイエスではあったが、その前夜に到って、私の確信
<br />　は間違っていなかっただろうか…不安が心にのぼってきた。
<br />
<br />　何ごとであれ、命を賭けた決断の前夜…信念に生きる者にとって、この疑念
<br />　ほどの苦悩はほかにありえない。イエスの祈りは続いた。
<br />
<br />「神よ、できることなら、こんな重い使命から私を解き放ってください」
<br />
<br />　いったんは弱音を吐いてみたものの、再び思いなおして、
<br />
<br />「しかし、私の願いなんかに耳を貸さずに、御心のままに導いてください」
<br />
<br />　長い煩悶のすえ、彼は再び確信を取り戻す…。
<br />　どれほどの時間が経過したのだろうか。多分一、二時間…。
<br />
<br />　イエスは再び弟子たちの元へ戻って御覧になると、弟子たちは眠っていた。
<br />　ひどく眠かったのである。彼らはイエスにどう言えばよいのか、分からなか
<br />　った。
<br />
<br />　イエスは三度目に戻って来て、言われた。
<br />
<br />「あなたがたはまだ眠っている。休んでいる。もうこれでいい。時が来た。人
<br />　の子は罪人たちの手に引き渡される。立て、行こう。見よ、わたしを裏切る
<br />　者が来た」
<br />
<br />と呟いたとき、イエスは日ごろの平静さと威厳を取り戻していたのであった。
<br />
<br />
<br />　二、裁判
<br />
<br />　イエスを捕捉する人たちに混ざってユダがやって来た。捕捉者の群れは手に
<br />　手に剣や棒を持っている。
<br />
<br />「私が接吻する相手がイエスだ。捕まえて、逃がさないように連れて行け」
<br />
<br />　と、ユダはあらかじめサインを決めて、イエスに近づく。
<br />
<br />「先生」
<br />
<br />　と呼びかけ、イエスに口づけした。
<br />　たちまち捕捉者の群れがイエスに襲い掛かる。
<br />　ペテロは持っていた剣で、イエスを捕らえようとする男の耳を切った。
<br />
<br />「よせ。剣を持つ者は剣で滅びる。私はここにいる。そんなに大勢で暴力をふ
<br />　るう必要はない」
<br />
<br />　と、イエスは自ら進んで捕捉された。
<br />
<br />　イエスは大祭司カヤパのところへ連行される。夜中であったが、急遽最高法
<br />　院が召集され、裁判が開かれた。ユダヤ教の律法学者や長老たちは偽証して
<br />　までもイエスに罪を着せようとしたが、なかなか決め手が見つからない。
<br />
<br />　イエスは押し黙っていた。
<br />　最後に大祭司が尋ねた。
<br />
<br />「お前は神の子なのか、本当に救世主なのか」
<br />「それはあなたが言っていることです。しかし、私は言っておこう。やがてあ
<br />　なたたちは私が全能の神の右にすわり、天の雲に乗って来るのを見るだろう」
<br />
<br />婉曲な言い方ではあったが、質問に対する答えとしては「その通り」だろう。
<br />　大祭司は服を引き裂いて怒り、
<br />
<br />「神を冒涜している。諸君、この言葉を聞いてどう思うか」
<br />「死刑だ、死刑だ」
<br />
<br />　いっせいに声が上がる。
<br />　もともとそういう結論が予測された裁判だったろう。
<br />
<br />このとき連行されていったイエスを追ってペテロは中庭に潜り込み、家の中を
<br />　うかがっていた。周囲には野次馬たちが群がっている。
<br />　屋敷の女中が現れ、ペテロの顔を見て、
<br />
<br />「あんた、ガリラヤの人でしょ。今の男と一緒にいたじゃない。私、見たわよ」
<br />
<br />　と言う。イエスの仲間だと知られたら、ペテロも捕らえられるだろう。
<br />
<br />「いい加減なことを言うなよ。あんな男、知らんよ」
<br />
<br />と、あわてて門のほうへ退く。すると、べつな女中がペテロに眼を止め、指を
<br />さし、
<br />
<br />「この人、ナザレのイエスの仲間よ。まちがいない」
<br />
<br />　と、周囲に告げる。
<br />
<br />「知らん、知らん、イエスなんか」
<br />
<br />　そのうちに何人かが近寄って来て、
<br />
<br />「たしかにあいつはイエスの仲間だよ。ガリラヤの生まれだろ？」
<br />
<br />　ペテロは、いかにも迷惑そうに、
<br />
<br />「知らない、知らないよ、あんな男」
<br />
<br />　そのときひときわ高く、コケコッコー、と鶏が鳴いた。
<br />
<br />「しまった」
<br />
<br />ペテロの胸に忽然とイエスの言葉が蘇ってきた。まさしくその通りではないか。
<br />　「あなたは今夜、鶏が鳴く前に三たび私のことを知らないと言うだろう」と、イエスは告げていたのだから…。
<br />
<br />ペテロは家の外に逃れ、心ならずもイエスを裏切ってしまったことを、そして
<br />自分の心の弱さを嘆いて激しく泣いた。泣いて、泣いて、泣き続けた。
<br />
<br />ペテロの慟哭をよそに最高法院はイエスに対して、神に対する著しい冒涜、
<br />ゆえに死刑が妥当、という結論に達する。夜が明けるのを待ってイエスの身柄
<br />はローマ総督ピラトの館に送られた。
<br />
<br />当時のイスラエルはローマの支配下にあったから、死刑の執行など重大な決定
<br />はローマ総督の機能に属していた。
<br />
<br />ピラトはローマの法律を踏まえてイエスを尋問しただろう。イエスの罪状は、
<br />
<br />　一、 民衆を唆し、暴動を画策した。
<br />　二、 ローマへの納税を拒んだ。
<br />　三、 自分は王である、と公言した。
<br />
<br />三点に要約されたが、はじめの二つは事実に反するし、ローマの法律に犯すも
<br />のではない。ピラトとしては無罪の心証を得て、そのことを口に出して言った
<br />が、イエスを追ってきた群衆は、法律学者や長老に唆されて、
<br />
<br />「死刑だ」
<br />「十字架に懸けろ」
<br />
<br />　と叫び続ける。
<br />
<br />ピラトは、ガリラヤ地方の王、ヘロデスがたまたまエルサレムに来ていること
<br />を思い出し、イエスの身柄をいったんヘロデス王に預けた。洗礼者ヨハネの首
<br />を斬って、サロメに与えた、あのヘロデス王である。
<br />
<br />　王は、かねてからイエスがどんな男か、見たがっていた。
<br />　イエスのほうは今さらこんな王の前に頭を下げるはずがない。
<br />
<br />洗礼者ヨハネを惨殺した王なんか、見るのもけがらわしい。なにを聞かれても
<br />返事をしなかった。面子を潰されたヘロデス王は、
<br />
<br />「気に入らん。死刑がいいな」
<br />
<br />　イエスを嘲り、さんざん侮辱してピラトのもとへ返した。
<br />　ピラトは困惑する。
<br />
<br />「この人は死刑に値する罪を犯していない。こらしめの鞭を打って釈放しよう」
<br />
<br />　と提案したが、民衆の声は相変わらず、
<br />
<br />「死刑だ、殺せ」
<br />
<br />　と叫んでいる。
<br />
<br />　ピラトは必ずしも民衆に評判のよい総督ではなかった。そうであればこそ、
<br />　ここで民衆の心をつかまえておくほうが、得策だろう。
<br />
<br />窮余の一策としてピラトは考えつく。過越しの祭りのときには、囚人を一人、
<br />民衆の要望に応えて釈放するのが習慣であった。ちょうどバラバという名の
<br />殺人犯が捕らえられていた。ピラトは集まった群衆に尋ねる。
<br />
<br />「どちらを釈放したら、いいんだ？バラバか、イエスか」
<br />
<br />ピラトとしては、どう見てもバラバのほうが、罪状が濃いのだから、こう質問
<br />すれば当然イエスが救われると思ったのである。
<br />しかし、たけり狂った群衆は、
<br />
<br />「イエスを十字架にかけろ」
<br />
<br />　と、要求する。
<br />　ピラトはさらに、
<br />
<br />「私はこの人に罪を見出せない」
<br />
<br />　と、イエスを弁護したが、群衆の要求はやはり、
<br />
<br />「イエスを殺せ。十字架に懸けろ」
<br />
<br />　であった。
<br />　イエスは鞭で打たれ、茨の冠をかぶせられ、群衆の前に突き出される。
<br />
<br />「見よ、この人を」
<br />
<br />ピラトとしては、この男に罪があるかどうかよく見てくれ、くらいの気持ちだ
<br />ったろう。
<br />
<br />「イエスを殺せ。十字架に懸けろ」
<br />
<br />雲行きが悪い。これ以上イエスをかばうと民衆の反感を買う。暴動でも起きた
<br />らピラト自身の立場が危うくなる。
<br />
<br />「そうか。じゃあ、お前たちの望みどおりにしてやろう」
<br />
<br />　かくてバラバは釈放され、イエスの十字架刑が決定した。
<br />
<br />
<br />
<br />　三、ゴルゴダへの道
<br />
<br />イエスの十字架刑を知ったユダは、そのときになって裏切りに対する後悔が、
<br />どうしようもない重荷となってユダをさいなむ。
<br />
<br />　ユダは走った。そして、せめて裏切りの代償として受け取った銀貨を祭司長
<br />　たちへ返そうとして、
<br />
<br />「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯しました」
<br />
<br />　と言った。しかし彼らは、
<br />
<br />「我々の知ったことではない。お前の問題だ」
<br />
<br />と言った。裏切り者は、彼を雇った人たちにとってもいまわしい存在である。
<br />もうユダには絶望しかなかった。そこでユダは銀貨を神殿に投げ込んで、立ち
<br />去り、首をつって死んだ。
<br />
<br />イエスの死より少し前、城壁外の南の谷、白楊の木の枝…。ユダの死体は無残
<br />にはらわたをさらけだし、血をしたたり落としていたという。
<br />
<br />　ピラトの命を受けたローマ兵士がイエスを引き立て、狂乱した群衆があとを
<br />　追っていく。兵士たちはイエスに紫の服を着せ、茨の冠をかぶせ、さながら
<br />　道化のような服装をさせた上で、
<br />
<br />「ユダヤの王、万歳」
<br />
<br />と、からかいながら大袈裟に敬礼し、頭を小突き、唾を吐きかけ、思うまま
<br />もてあそぶ。それから紫の服をもとの服に着せ替え、十字架を背負わせ刑場へ
<br />と追い立てる。
<br />
<br />ピラトの館からゴルゴダの丘まで。ゴルゴダは古いヘブライ語でしゃれこうべ
<br />のことであった。
<br />
<br />大勢の野次馬に混じって、苦しむイエスをからかってる者がいた。道端に彼の
<br />家があり、イエスが一瞬その軒下で足を止めたが、
<br />
<br />「なんだ、お前。早く行け」
<br />
<br />と、彼は無情に追い立てた。イエスは鳶色の眼差しでじっと彼を見つめてから、
<br />
<br />「行けというのなら行かないまでもないが、あなたは私が帰ってくる日まで待っていろよ」
<br />
<br />　おごそかに呟いた。
<br />
<br />一種の呪いだろうか。こうしてこのユダヤ人はイエス来臨の日まで…人類最後の日まで死ぬことができず時代を超えて地上をさまようこととなる。
<br />
<br />イエスはおびただしい責め苦にあい、充分に疲労していただろう。イエスの母
<br />マリアが群衆の中にいたかどうか、やはり福音書にはなにも記していない。
<br />
<br />ローマ人兵士は、イエスが刑場に着く前に疲れ死んではつまらないと思ったのか、それともなにほどかの同情があったのか、あるいはただの気まぐれだからか、田舎からエルサレムに出てきたシモンという男に、イエスの十字架を担がせた。
<br />
<br />ほんの短い距離ではあったが、イエスの苦痛はその分だけ軽減されただろう。
<br />野次馬の中にもイエスを慕う人がいなかったわけではあるまい。弟子たちはどうしていたのか。
<br />
<br />イエスに病気を治してもらった人もいただろう。ただ彼らはことの成り行きに呆然とし、後難を恐れて遠巻きに涙の視線を送るだけだった。とりわけ女たち…
<br />
<br />ベロニカという女の人がハンカチを差し出したのは、人間としての自然な感情だったろう。それともイエスより、恩恵を受けた人だったのか。
<br />
<br />　イエスは女たちに呼び掛ける。
<br />
<br />「エルサレムの娘たちよ。私のために泣くな。むしろ自分と自分の子供たちのために泣け。子供を持たない女がさいわいだという日がきっと来る」
<br />
<br />エルサレムに未来はない、この都が末期的な状態であることを警告する。
<br />一歩、また一歩…。ふたたび十字架を背負わされたイエスは息も絶え絶えに倒れながら、ようやく刑場にたどりついたのである。・・・つづく
<br />
<br />
<br />
<br />　さて、次回の西欧の神話・歴史・宗教まとめ読みは、イエス・キリスト編の
<br />　最終話、「イエスの死と復活」をお送りします。イエスの終焉でもあり、
<br />　またキリスト教の始まりでもあった・・・お楽しみに〜 
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>新約聖書</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-08T21:14:11+09:00</dc:date>
		<dc:creator>サカサイ　マサカズ</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-272.html">
		<link>http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-272.html</link>
		<title>「イエス・キリスト編」〜第6話　最後の晩餐 </title>
		<description>☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
　　「イエス・キリスト編」〜第6話　最後の晩餐


　一　エルサレム入城

　イエスは、フィリポ・カイザリア地方に行ったとき、弟子たちに向かって、

「人々は、私のことを何者だと言っているのかね」

　フィリポ・カイザリアは</description>
		<content:encoded><![CDATA[ ☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
<br />　　「イエス・キリスト編」〜第6話　最後の晩餐
<br />
<br />
<br />　一　エルサレム入城
<br />
<br />　イエスは、フィリポ・カイザリア地方に行ったとき、弟子たちに向かって、
<br />
<br />「人々は、私のことを何者だと言っているのかね」
<br />
<br />　フィリポ・カイザリアは、ガリラヤ湖北方の山岳地に位置する町である。
<br />　そこでイエスは、世間の噂を尋ねてみたわけだ。
<br />
<br />　イエスに洗礼を授けたヨハネという者もいれば、エリヤやエレミヤなど
<br />　旧約聖書の登場人物を言う人もいる。
<br />
<br />　つまり、イエスは誰とは知れないが、聖なる人物の生まれ変りである、
<br />　それが町の噂である、という返事だった。
<br />
<br />「じゃあ、あなたたちは私を何者だと思っている？」
<br />
<br />　イエスは追い討ちをかけるように弟子たちに尋ねた。
<br />
<br />　ほかの弟子たちはためらっていたが、ペテロが進み出てはっきりと答えた。
<br />
<br />「あなたは救世主です。神の御子です」
<br />
<br />　救世主とは、洗礼者や預言者よりも上を指しており、さらに高いものと告げ
<br />　た。イエスは深く頷いて、ペテロに向かい、
<br />
<br />「その通りだ、それがわかったあなたには神の恵みがくだるだろう。このこと
<br />　は生身の人間が言うのではなく、私の父である神があなたに啓示して伝える
<br />　ことである」
<br />
<br />　さらに、イエスは、
<br />
<br />「私も言っておこう、あなたの名はペテロ。知ってのとおり岩のことだ。
<br />　私は岩の上に私の教会を建てる。地獄の力もこれには勝てない。私はあなた
<br />　に天国の鍵を与えよう。あなたが地上で禁ずることは天上でも禁じられる」
<br />
<br />　さらに、さらに、
<br />
<br />「地上で許すことは天上でも許される。そのような権威を持つものとして、
<br />　しっかりと神の教えを実現してほしい。ああ、それから、私が神の子で
<br />　あり、救世主であることは、ほかの人には話すなよ」
<br />
<br />　と告げた。
<br />
<br />　自分は神の子であるという強い確信を自覚したイエスは、その確信を少しず
<br />　つ周囲にあらわにし始める。ある日のこと、弟子たちに向かって、
<br />
<br />「私はエルサレムに行き、そこで殺され、三日後に復活する」
<br />
<br />　と宣言した。一番弟子のペテロはそれを聞いて、
<br />
<br />「とんでもない。そんなことがあってはなりません」
<br />
<br />　と叫ぶが、イエスの返答は手厳しいもので、ペテロに向かって、
<br />
<br />「サタンよ。引き下がれ。私の邪魔をするのか」
<br />
<br />　ペテロは驚いた。イエスは言葉を続けて、
<br />
<br />「神のことを思わず、人間のことを思っている」
<br />
<br />　と、ペテロを戒めた。
<br />
<br />　神のことを思わなければ、イエスの行動は理解できない。神の子であること
<br />　の証明がなければ、イエスのそれまでの言動は大幅に意味を失う。
<br />　そう言われても仕方がないだろう。
<br />
<br />　イエスの行動に矛盾はない。復活を予告したあと、イエスはもっとも信頼し
<br />　ている三人の弟子ペテロ、ヤコブ、ヨハネを連れて高い山、ナザレの東にあ
<br />　るタボル山（海抜５８８ｍ）に登った。
<br />
<br />　登りつくと、弟子たちの前でイエスの姿が変わった。顔は太陽のように輝
<br />　き、衣服は光のように白くなった。弟子たちは師の様子がただことでは
<br />　ないことを感じた。
<br />　それもそのはず、イエスの確信はゆるぎない極点に達していた。
<br />
<br />　「私は神の子なのだ」
<br />
<br />　その自覚が言葉となってほとばしり、態度となって溢れる。今までに見たこ
<br />　ともないほど、神々しい師の姿であった。弟子たちは思っただろう、
<br />
<br />「まるで神様が乗り移ったみたいだ」
<br />
<br />　やがて、モーセとエリヤが現れ、イエスを囲んで語り合う。天から声が聞こ
<br />　えた。
<br />
<br />「これは私の愛する子。私の心に適う者」
<br />
<br />　と。ひれ伏しておののく弟子たちにイエスが近づいて声をかけた。
<br />
<br />「おそれることはない」
<br />
<br />　弟子たちはイエスのその姿に、おそれおののきながらも、
<br />
<br />「まさしく神の御子だ」
<br />
<br />　と感じた。こうして弟子たちはイエスの変容を見たのであった。
<br />　イエスが神の子であるという証明の、第一弾であった。
<br />
<br />　タボル山のあと、イエスは二度、三度と自分の死と復活を予告して聖都エル
<br />　サレムに入城する。
<br />
<br />　神殿にたむろする商人たちに八つ当たりのような暴力をふるって追い出した
<br />　のは、神の聖域が侵されていることに、よほど腹に据えかねるものがあった
<br />　からだろう。
<br />
<br />
<br />「エルサレム、エルサレム　預言者たちを殺し、自分に遣わされた人々を石で
<br />　打ち殺す者よ、めん鳥が雛を羽の下に集めるように、私はお前の子らを何度
<br />　はぐくもうとしたことか」
<br />
<br />　そして言う。
<br />
<br />「だが、お前は応じようとはしなかった。見よ、お前たちの家は見捨てられ、
<br />　荒れ果てる」
<br />
<br />　と、エルサレムのために嘆いたイエスの声は痛ましい。歴史を眺めれば、
<br />　エルサレムはその通りの都であり、そしてまたあらたにもう一人、神から
<br />　遣わされた人を殺そうとしているのであった。
<br />
<br />　終焉の日は刻一刻と近づいていた。イエスは決められた日を心に記して敢然
<br />　と歩み続けるのであった。
<br />
<br />
<br />
<br />　本文前半部におけるイエスとペテロの会話の、イエスの言葉の中に
<br />「私は岩の上に私の教会を建てる。地獄の力もこれには勝てない。私はあなた
<br />　に天国の鍵を与えよう。」と告げている。
<br />
<br />　今日の芸術作品に見るペテロの像が、しばしば鍵を持っているのは、この
<br />　イエスの言葉に由来している。
<br />
<br />　また、ペテロは、二百数十代を数えて今日に繋がるローマ法王の、その初代
<br />　のポストを占めているが、それもまた、このときのイエスの言葉に根拠を
<br />　持っている。
<br />　イエスはペテロという岩の上に教会を造れと告げたのだから・・・
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />　二、最後の晩餐
<br />
<br />
<br />　ゲッセマネの園に入る少し前、イエスは十二人の弟子たちと一緒に食事をと
<br />　った。モーセの故事をしのぶ過越しの祭りの前日のことである。
<br />　食事中の最中にイエスは手を止めて、
<br />
<br />「あなたたちの一人が私を裏切ろうとしている」
<br />
<br />　と告げた。
<br />
<br />「まさか」
<br />「私じゃありません」
<br />「だれですか」
<br />
<br />　弟子たちは驚いて口々に叫んだ。イエスは言葉を続けて、
<br />
<br />「私と一緒に食べ物を鉢に浸した者が私を裏切る。私はどの道去って行くが
<br />　私を裏切った者には不幸が残る。生まれて来なかったほうがよかった
<br />　ものを」
<br />
<br />　と呟いた。
<br />
<br />　イエスのすぐ近くにすわっていたユダが体を傾けて、
<br />
<br />　「それはだれです？」
<br />
<br />　と尋ねた。イエスはパンを鉢に浸してユダに与え、
<br />
<br />「あなたがしようとしていることをしなさい。今すぐに」
<br />
<br />　と小声で言った。
<br />
<br />　ユダはあたふたと席を立つ。
<br />
<br />　ほかの弟子たちは、買い物でもいくのかなと、深くは考えなかったらしい。
<br />　ユダは一同の会計係であり、こうした用向きをイエスのためにときどき
<br />　果たしていたからである。
<br />
<br />　それに、イエスの言葉はこれまでもわかりにくいことが多かった。「裏切り
<br />　者がいる」という発言は、それ自体ただごとではないものを含んでいる
<br />　けれど、イエスは平然としている。
<br />
<br />　またたとえ話かもしれないと、弟子たちはそう考えたのではあるまいか。
<br />
<br />　ユダが去っていったあとで、イエスはパンを取って祈り、それを切り裂い
<br />　て弟子たちに与えた。
<br />
<br />「食べなさい。これは私の体である」
<br />
<br />　ついで葡萄酒を満たした盃を取って祈り、
<br />
<br />「みんな、この盃から飲みなさい。これは私の血である」
<br />
<br />　そして、それが神との新しい契約であることを弟子たちに告げた。パンと
<br />　葡萄酒による契約の儀式は、この故事を受け継いで今でも教会でおこなわれ
<br />　ている。
<br />
<br />　最後の晩餐を終えたあと、ペテロはまだ心の中で、わだかまりが渦巻いて
<br />　いた。
<br />
<br />「会食の最中にここにいる一人が私を裏切ろうとしている。と、言っていた
<br />　けれど、あれはユダなのだろうか…まさか…。だが、とにかく、私は絶対
<br />　に裏切らないぞ」
<br />　その思いをイエスに伝えておきたかった。
<br />
<br />「ほかの人はともかく、私は絶対に大丈夫です」
<br />
<br />　と、ペテロは決然とイエスに告げた。イエスは振り向き、ゆっくりと首を
<br />　振った。
<br />
<br />「いや。はっきりと言っておこう。あなたは今夜、鶏が鳴く前に三たび私の
<br />　ことを知らないと言うだろう」
<br />「とんでもない。そんなこと絶対にありません。ご一緒に死ぬことになって
<br />　も、あなたを知らないなんて…私が言うはずがないでしょう」
<br />「そうかな」
<br />
<br />　イエスがそう予告したことは、なにもかもイエスには見えていたの
<br />　だろうか。
<br />
<br />
<br />
<br />　イタリア旅行のとき、最後の観光地であるミラノで、この旅行のハイライト
<br />　ともいうべき、サンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会、下を噛みそうな
<br />　名前だが、ここにレオナルド・ダ・ビンチの名作「最後の晩餐」があり、
<br />　見に行った。
<br />
<br />　鑑賞するには事前に予約する必要があり、約三十人ずつの組に別れて、
<br />　十五分の鑑賞が許されるのである。中は、厳重に警備され、温度、湿度を
<br />　管理されたなかに、その名画はあった。↓
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />　絵は説明するまでもないだろう。長いテーブルが横に延び、中央に赤い衣装
<br />　と青いトーガをまとったイエス・キリストが両手を広げて座っている。両側
<br />　に6人ずつ、合計12人の弟子たちが驚き、ざわめいている。会食の真っ最中に
<br />　イエスが、
<br />
<br />　「ここにいる一人が私を裏切ろうとしている」
<br />
<br />　と言った、その瞬間の光景を描いたものだと、現地のガイドが解説してくれ
<br />　た。
<br />　ヨハネの耳元でペテロが「誰だろう」とささやている。その近くで銀貨の
<br />　入った袋を握り締めたユダが描かれていた。
<br />
<br />　「最後の晩餐」の名画は素晴らしいものでした！！・・・つづく
<br />
<br />　
<br />　さて、次回の西欧の神話・歴史・宗教まとめ読みは、イエス・キリスト編の
<br />　第7話、「ゴルゴダの道」をお送りします。残酷なまでの拷問や裁判が
<br />　おこなわれたイエスの終焉の中心部に当たるエピソードです。 
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>新約聖書</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-07T21:55:46+09:00</dc:date>
		<dc:creator>サカサイ　マサカズ</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-271.html">
		<link>http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-271.html</link>
		<title>「イエス・キリスト編」〜第5話　キリストの奇蹟 </title>
		<description>☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
　「イエス・キリスト編」〜第5話　キリストの奇蹟

　一　パンと魚の奇蹟


　イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様
　を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。そのうちだいぶ時もたったの
　で、弟子たちがイエスの前に来て</description>
		<content:encoded><![CDATA[ ☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
<br />　「イエス・キリスト編」〜第5話　キリストの奇蹟
<br />
<br />　一　パンと魚の奇蹟
<br />
<br />
<br />　イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様
<br />　を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。そのうちだいぶ時もたったの
<br />　で、弟子たちがイエスの前に来て言った。
<br />
<br />　「ここは人里離れた所で、時間もだいぶたちました。人々を解散させてくだ
<br />　さい。そうすれば自分で周りの里や村へ、何か食べるものを買いに行くでし
<br />　ょう」
<br />　
<br />　これに対してイエスは、
<br />
<br />　「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」
<br />
<br />　とお答えになった。弟子たちは、
<br />
<br />　「わたしたちが二百デナリオンものパンを買ってきて、みんなに食べさせる
<br />　のですか」
<br />
<br />　と言った。イエスは言われた。
<br />
<br />　「パンは幾つあるのか。見て来なさい」
<br />
<br />　弟子たちは確かめて来て、言った。
<br />
<br />　「五つあります。それに魚が二匹です」
<br />
<br />　そこで、イエスは弟子たちに、皆を組に分けて、青草の上に座らせるように
<br />　お命じになった。
<br />
<br />　人々は、百人、五十人ずつまとまって腰をおろした。イエスは五つのパンと
<br />　二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて、弟子たちに
<br />　渡しては配らせ、二匹の魚も皆に分配された。すべての人が食べて満腹し
<br />　た。
<br />
<br />　そして、パンの屑と魚の残りを集めると、十二のカゴにいっぱいになった。
<br />　パンを食べた人は男が五千人であった。
<br />
<br />　よくあるイエスの基本的な奇蹟である。
<br />　彼は、食べ物を出したり、病気を治す奇蹟が多い。
<br />
<br />　今回のこの奇蹟は、イエスのありがたい言葉の食べ物を食べて、イエスの信
<br />　者になり、心が満たされたことの例えだとされている・・・
<br />
<br />
<br />
<br />　二　カナの婚礼
<br />　
<br />
<br />　カナはガリラヤの町で、湖岸から西へ二十キロ、ナザレから北へ十五キロほ
<br />　ど行った位置にある。ヨルダン川で洗礼を受けて少したって、イエスは招か
<br />　れてカナに赴き、知人の結婚式に出席した。
<br />
<br />　幾人かの弟子たちも一緒だった。母のマリアもそこに来ていた。
<br />
<br />　祝宴がすすむにつれ、酒が足りなくなった。
<br />
<br />　「おーい葡萄酒を頼む」
<br />
<br />　そう言われても、酒がめの底には、いくらも残っていない。マリアがイエス
<br />　に告げた。
<br />
<br />　「葡萄酒がなくなりました」
<br />
<br />　イエスは答えた。
<br />
<br />　「婦人よ、私とどんなかかわりがあるのです。私の時はまだ来ていません」
<br />
<br />　その冷ややかな回答にもかかわらず、マリアは周囲の召使いたちに、
<br />
<br />　「この人が、なにか言いつけたら、そのとおりにしてください」
<br />
<br />　と命ずる。そばには大きな石がめが六つ置いてあった。それを指してイエス
<br />　が、
<br />
<br />　「いっぱいに水をいれなさい」
<br />
<br />　と言う。召使いたちが言われたとおりに六つの石がめに水を満たすと、
<br />　今度は、
<br />
<br />「さあ、それを汲んで宴会の世話役のところへ持って行きなさい」
<br />
<br />　と、イエスは命じた。宴会の世話役が味見をすると、
<br />
<br />　「うまい」
<br />
<br />　なんと、水は葡萄酒に変わっていた。
<br />
<br />　何も知らない世話役は、花婿を呼んで、
<br />
<br />　「いやあ、まいった、まいった。どこの家でも、はじめはよい酒を出すけ
<br />　ど、酔いがまわったころになると、わるい酒に替えたりする。ところが、
<br />　あんたは偉い。ますますよい酒を出して馳走してくれる」
<br />
<br />　と誉めそやす。花婿もなにを言われたのか、よくわからなかったろう。
<br />　しかし、弟子たちは知っていた。水が酒に変えられたことを…
<br />
<br />
<br />　またここで、奇蹟が語られているが、イエスが水を葡萄酒に本当に変えたの
<br />　か！しかも、病人を癒したり、貧しいものに食べ物を与えたりするのとは違
<br />　うこの場面で、奇蹟は必要ないのではないだろうか！？
<br />
<br />　ここは私の希望ではあるが、「私の時」はまだ来ていないけれど、母の立場
<br />　を考え、また祝宴のムードをそこなわないために、あえて奇蹟をおこなった
<br />　のではないかと思う。
<br />　
<br />　まあ、水が葡萄酒に替わったのは、信仰心のない私には、にわかには信じら
<br />　れないが、おそらく隠してあった酒を出したか、酒屋へ急いで弟子が買いに
<br />　行ったかして、イエスの奇蹟として伝えられたのかなと思う。
<br />
<br />　そう言ったらみもふたもないですね（笑）
<br />
<br />　また、イエスとマリアの親子の対面がここでは書かれているが、どことな
<br />　く、ちぐはぐである。恐らく二人は、この日久しぶりに顔をあわせたので
<br />　はなかったか。
<br />　
<br />　十数年前に、イエスが両親の家を出て以来はじめて、出会ったのではないだ
<br />　ろうか・・・
<br />
<br />
<br />
<br />　三　病気を癒すイエス
<br />
<br />
<br />　ある日のこと、イエスはカペナウムにいた。カペナウムはガリラヤ湖北端
<br />　の町で、にぎやかな港町だった。
<br />
<br />　毎度の事ながら、その日も、イエスの住む家のまわりに大勢の人が集まって
<br />　来て騒いでいる。
<br />
<br />　「すごい人らしいぞ。救世主かもしれん。病気を治すんだとさ」
<br />
<br />　イエスの噂はすでに広まっていた。ある者は教えを聞こうとし、ある者は
<br />　病を治してもらおうとして、さらに野次馬やユダヤ教のスパイなども加わ
<br />　って、イエスの行くところは、いつも人の群れで溢れていた。
<br />
<br />　「担架が来たぞ」
<br />
<br />　「戸板の上に人を載せているんだ」
<br />
<br />　四人の男が、中風を患った病人を運んで来たが、家の出入り口付近は人が
<br />　多くて中へ入れない。
<br />
<br />　「よし、屋根をはがせ」
<br />
<br />　四人の男たちはどうしても病人を治してほしかったのだろう。屋根のほう　　は、あとで修理をしておけば、それですむ。
<br />
<br />　「ホイサッサ」
<br />
<br />　「エッサッサ」
<br />
<br />　屋根に穴を開け、病人を床ごとイエスの前に吊り降ろした。荒っぽいやり方
<br />　だが、彼等の願いがそれほど真摯なものだった。イエスも病人の懇望と、
<br />　四人の男たちの友情を感じ取ったのだろう。
<br />
<br />　「元気を出しなさい。あなたの罪は赦された」
<br />
<br />　と病人に告げた。
<br />
<br />　そばで聞いていたユダヤ教の律法学者が、
<br />
<br />　「けしからん。神を冒涜している」
<br />
<br />　と、騒ぎ出す。イエスの住まいを覗いていたユダヤ教の律法学者たちは、
<br />　イエスが何者か知らなかった。イエスの卓越した能力を知らなかった。
<br />　こざかしい男が不遜な教えを垂れている、と苛立っていた。
<br />
<br />　説教を聞きながらいずれ尻尾を捕まえてやろうと狙っていたのである。
<br />
<br />　罪を赦すのは神の仕事であり、神のみに許されたことであった。どこの馬の
<br />　骨かわからぬ若僧にそんな崇高な役割が許されてよいものか。神の権限を
<br />　侵す重大な罪悪だったのである。神を冒涜するのは人殺しより重い罪
<br />　だった。
<br />
<br />　イエスは敢然として答える。
<br />
<br />　「あなたたちはなにを考えているのか。中風の病人に向かって、あなたの罪
<br />　は赦された、と言うのと、起きて歩け、と言うのとどちらがやさしいことだ
<br />　ろうか。私がこの地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせてあげよ
<br />　う」
<br />
<br />　そう言うと、イエスは中風の病人に向かって告げた。
<br />
<br />　「起き上がって床を担ぎ、家に帰りなさい」
<br />
<br />　と。病人はたちまち立ち上がり、床を担ぎ上げてスタスタと家へ帰って
<br />　行った。
<br />
<br />　「うそ」
<br />
<br />　「信じられない」
<br />
<br />　人々の驚きと賛美はたいへんなものだった。こうしてイエスの神性が深く
<br />　人々の胸に印象づけられた。
<br />
<br />
<br />　前文にでてくるユダヤ教の律法学者だが、イエス・キリストとユダヤ教の
<br />　関係は少々ややこしい。イエスの教えであるキリスト教は、たしかに
<br />　ユダヤ教を母体としているが、その一方でユダヤ教に対する強烈な批判
<br />　でもあった。
<br />
<br />　イエスが生きていた時代には、ユダヤ教は絶大な権威を担っていたから、
<br />　それに楯つく者は、激しい非難と迫害を受けるのである。
<br />
<br />　イエス自身がその言動から判断して、ユダヤ教への反逆者と言われて当然の
<br />　部分も大いに持っていたのである。
<br />
<br />
<br />
<br />　四　病気を癒すイエス２
<br />
<br />
<br />　これも同じカペナウムでの出来事だが、ローマの百人隊長がイエスのもとに
<br />　やっ来て、
<br />
<br />　「主よ。私の部下が中風を病んで苦しんでおります」
<br />
<br />　と訴えた。百人隊長はさしずめ小隊長と言った役どころであるが、ローマ人
<br />　そのものが植民地的な支配をおこなっている土地では、それなりの権力は
<br />　持っていた。
<br />
<br />　その百人隊長がわざわざイエスを訪ねてきたのである。よい人柄の男だった
<br />　ろう。敬虔な気持ちが彼の態度によく現れていた。イエスは感ずるところが
<br />　あって、
<br />
<br />　「じゃあ行って治してあげましょう」
<br />
<br />　と告げたが、百人隊長のほうは、
<br />
<br />　「主よ、私はあなたを自分の家にお迎えできるような者ではありません。
<br />　ただ一言おっしゃってください。私も権威のもとにある者ですが、部下に
<br />　対して、行けと言えば彼は行きますし、来い、と言えば来ます。」
<br />
<br />　さらに、
<br />
<br />　「これをやれ、と命じれば、そのとおりに動きます。お言葉だけをくだされ
<br />　ば充分です」
<br />
<br />　と、あくまでも謙虚である。
<br />
<br />　立場だけで考えれば、ローマの軍人はユダヤ人に対して、権威を振りかざ
<br />　し、さぞかし威張り散らしていただろうし、一方イエスのほうは、偉い預言
<br />　者かもしれないが、異教徒から見ればただの放浪者のようなものである。
<br />
<br />　そのローマ軍の百人隊長がイエスの前に頭を垂れたのだから、イエスは、
<br />　この男、神を敬う心を持っていると、思ったにちがいない。
<br />
<br />　イエスは周囲を見まわして叫んだ。
<br />
<br />　「はっきり言っておく。イスラエルの中でさえ私はこれほどの信仰を見た
<br />　ことがない。」
<br />
<br />　そして、
<br />
<br />　「東の国から西の国から大勢の人がやって来て、いつか天国の席に加わるだ
<br />　ろう。よくよく聞いておいてほしい。イスラエルの民といえども、神を損な
<br />　う者はそのときになって歯ぎしりをするばかりだろう」
<br />
<br />　それから百人隊長の方を振り向いて、
<br />
<br />　「さあ、帰りなさい。あなたが信じたとおりのことが起こるように」
<br />
<br />　と告げ、神に祈った。
<br />　ちょうどそのとき、百人隊長の家で部下の病いが治ったのである。
<br />
<br />
<br />　教儀史的に見れば、このエピソードはイエスの説く神が旧約の時代のよう
<br />　に、ユダヤ人にだけ手を差し伸べるものではなく、広く、平等に、すべての
<br />　人々に及ぶものであることを示しており、画期的な意味を、持つもので
<br />　あった。
<br />
<br />　旧約とちがって、新約は万民のものなのである・・・
<br />　この考えが、キリスト教が大きくなった一番の理由である。
<br />
<br />
<br />　五　湖上を歩くイエス
<br />
<br />
<br />　イエスはガリラヤ湖に弟子たちを連れて行った。それからすぐ、イエスは
<br />　弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸へ先に行かせ、その間に群衆を解散
<br />　させられた。
<br />　群衆を解散させてから、祈るためにひとり山にお登りになった。
<br />
<br />　夕方になっても、ただひとりそこにおられた。ところが、舟は既に陸から
<br />　何スタディオンか離れており、逆風のために波に悩まされていた。夜が
<br />　あけるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。
<br />
<br />　弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、「幽霊だ」と言って
<br />　おびえ、恐怖のあまり叫び声をあげた。イエスはすぐ彼らに話しかけられ
<br />　た。
<br />
<br />　「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」
<br />
<br />　すると、ペテロが答えた。
<br />
<br />　「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに
<br />　行かせてください」
<br />
<br />　イエスが、
<br />
<br />　「来なさい」
<br />
<br />　と言われたので、ペテロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進ん
<br />　だ。しかし、強い風に気がついて怖くなり、沈みかけたので、
<br />
<br />　「主よ、助けてください」
<br />
<br />　と叫んだ。イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、
<br />
<br />　「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」
<br />
<br />　と言われた。そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった。舟の中にいた
<br />　人たちは、
<br />
<br />　「本当に、あなたは神の子です」
<br />
<br />　と言ってイエスを拝んだ。
<br />
<br />
<br />
<br />　福音書に記されている奇蹟は、約60件ほど。重複しているものも多いから、
<br />　実数としては30件ぐらいだろうか！！
<br />
<br />　区分けすると、パンや葡萄酒など飲食物を増やす話、中風や癲癇など病気を
<br />　治す話、嵐や日照りなど災害を取りのぞく話などに分けられる。また死者を
<br />　蘇らせたこともある。
<br />
<br />　まあ、科学が発達している現代では、聖書の内容は眉唾ものが多い、だが、
<br />　奇蹟は聖書に記された通りではないかもしれないが、そんなことはさして
<br />　重要ではない。
<br />
<br />　大切なのは原因はなんであれ、人々に奇蹟を信じさせるような偉大なイエス
<br />　が実在したことのほうである。事実に近い奇蹟もあったろうが、まったくの
<br />　作り話もあっただろう。
<br />
<br />　今でいうマジシャンのようなネタもあったかもしれない。いずれにせよ、
<br />　奇蹟のエピソードは一つの比喩であり、イエスの偉大さを伝えるためには、
<br />　こうした伝達方法が適していた。
<br />
<br />　事実の報告だけが伝達の手段ではあるまい。俳優や女優が演じることに
<br />　より、自分というものを伝えていくというものが現代でもあるではないか。
<br />
<br />　先日、パッションという映画を観た。これはイエス・キリストの最後の十二
<br />　時間をリアルに描いたメル・ギブソンの渾身の一作だが、観ていてイエスの　苦痛を感じた。
<br />
<br />　映画という枠を超えて、イエスが受けた苦痛を、強く心に感じたのである。
<br />　イエスは俳優が演じているのだと、思っていても苦痛を感じるのだから
<br />　実際のイエスの偉業も、同じような経緯で伝達されたとは、言えないだ
<br />　ろうか・・・・・・つづく
<br />
<br />　
<br />　さて、次回の西欧の神話・歴史・宗教まとめ読みは、イエス・キリスト編の
<br />　第6話、「最後の晩餐」をお送りします。いよいよ、あの有名な場面が登場
<br />　です！！
<br />　イエスの終焉の入り口に当たるエピソードです。お楽しみに〜 
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>新約聖書</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-06T23:06:36+09:00</dc:date>
		<dc:creator>サカサイ　マサカズ</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-270.html">
		<link>http://sangiovese.dtiblog.com/blog-entry-270.html</link>
		<title>「イエス・キリスト編」〜第4話　十二人の使徒　</title>
		<description>☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
　　「イエス・キリスト編」〜第4話　十二人の使徒　


　一　イエスの偉業のはじまり

　イエスの公的生活は二年半に満たない。西暦二十八年の初頭から三十年の
　春まで。十字架による処刑は四月七日の午後と推定されている。
　イエスが人間であるならば、まこ</description>
		<content:encoded><![CDATA[ ☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
<br />　　「イエス・キリスト編」〜第4話　十二人の使徒　
<br />
<br />
<br />　一　イエスの偉業のはじまり
<br />
<br />　イエスの公的生活は二年半に満たない。西暦二十八年の初頭から三十年の
<br />　春まで。十字架による処刑は四月七日の午後と推定されている。
<br />　イエスが人間であるならば、まことに短い生涯であった。
<br />
<br />　西暦二十八年初頭、ヨルダン川のほとりでヨハネから洗礼を受けたあと、
<br />　イエスは荒野に出て四十日間の断食を敢行して宗教的な修練を積んだ。
<br />　空腹のイエスの前に悪魔が現れて、
<br />
<br />　「どうだ、神の子なら、この石をパンに変えてみろよ」
<br />
<br />　と誘惑する。イエスはきっぱりと答えた。
<br />
<br />　「人はパンだけで生きるものではない、神の口から出る一つ一つの言葉で
<br />　生きる、と尊い本に書いてある」
<br />
<br />　「ふうん」
<br />
<br />　悪魔は、さながら魔法使いみたいにイエスをエルサレムの上空に運んで、
<br />
<br />　「ほら、飛び降りてみろよ。神の子なら天使が途中で支えてくれるんだろ」
<br />
<br />　と唆す。イエスは厳かに答えた。
<br />
<br />　「あなたの神を試してはならない、と書いてある」
<br />
<br />　悪魔はさらにイエスを、とてつもなく高い山の頂上に連れて行き、世界のす
<br />　べての国々の繁栄を見せた上で、
<br />
<br />　「どうだ私にひれ伏するなら、この繁栄を全部くれてやってもいいんだぜ」
<br />
<br />　と、ほくそ笑んだ。イエスは厳しく答えた。
<br />
<br />　「退けサタン。あなたの神を拝み、ただその神に仕えよ、と尊い本に書いて
<br />　ある」
<br />
<br />　とイエスは神を至上のものと考え、その教えを尊び、敬虔に仕えること、
<br />　それが永遠の恵みであり、私が守る道であるという宣言をおこない、荒野
<br />　から帰った。
<br />
<br />　その後イエスはガリラヤ地方中心に自らの教えを説き、病人を癒し、奇蹟を
<br />　おこない、十二人の直弟子を集める。噂は広がってイエスの行くところに
<br />　は、いつも民衆が群がって来たのである。
<br />
<br />　イエス・キリストの宗教活動の始まりである。
<br />
<br />
<br />　二　ペテロとアンデレとヨハネとヤコブ
<br />　
<br />　最初にイエスに会った弟子は、漁師のアンデレだった。アンデレは洗礼者
<br />　ヨハネの弟子であり、イエスについて、
<br />
<br />　「あの人は救世主だ」
<br />
<br />　といったふうな教示をヨハネから受けていたのだろう。イエスのあとを追
<br />　い、イエスと同じ家に泊まって、おおいに心服した。アンデレの兄が
<br />　シモン、のちのペテロである。アンデレは兄に会って、
<br />
<br />　「あの人は救世主だぞ」
<br />
<br />　と伝えた。
<br />
<br />　シモンもまた漁師だった。
<br />　二人がガリラヤ湖の岸辺で網を洗っていると群衆の騒ぎが聞こえ、その中に
<br />　イエスが立っている。イエスが兄弟を見つけ、
<br />
<br />　「私を乗せて、岸から少し漕ぎ出してくれないかな」
<br />
<br />　イエスがそう頼んだのは、群衆にもみくちゃにされずに教えを語るためだっ
<br />　た。
<br />
<br />　「わかりました」
<br />
<br />　二人はほどよい位置まで漕ぎ出して舟を止める。
<br />　イエスは舟の中に腰をおろして説教をしたのち、
<br />
<br />　「沖へ舟を出して、魚を捕りなさい」
<br />
<br />　と命じた。
<br />
<br />　「私たちは夜通し漁をしてたんです。それでも一匹も捕れなかった」
<br />　「まあ、いいから。沖に出て、漁をしてごらんよ」
<br />
<br />　言われるままに舟をガリラヤ湖の深みへ出して網を落としてみれば、かかる
<br />　わ、かかるわ、網が破れそうになるほどいっぱいになった。
<br />
<br />　「こりゃすごい。おい、ほかの舟を呼べ」
<br />
<br />　近くにいる仲間の舟に合図して呼び、その舟もまた沈みそうになるほどの
<br />　大漁を得た。一部始終をさりげなく眺めているイエス…。
<br />
<br />　「こりゃ、奇蹟だ。ただ者じゃないぞ」
<br />
<br />　と、シモンは思ったにちがいない。
<br />
<br />　「私についてきなさい」
<br />
<br />　とイエスに言われ、畏怖の念におののいてひれ伏し、
<br />
<br />　「私は、ただの漁師です。わるいこともいっぱいしてきました。とてもあな
<br />　たのそばにいられるような者じゃありません」
<br />
<br />　シモンは素朴で、生真面目で、少々臆病なところがある青年だった。
<br />
<br />　「おそれることはない。今日からは魚を捕る漁師ではなく、人間を捕る漁師
<br />　となりなさい」
<br />
<br />　よほど感動が大きかったのだろう。弟のアンデレと一緒に舟を岸にあげ、
<br />　その場でイエスに従う弟子となった。
<br />
<br />　もう一隻の舟に乗っていたのは、これも漁師の兄弟で、ゼベダイの子ヤコブ
<br />　とヨハネだったと思われる。イエスの霊験をまのあたりに眺め、人柄にも
<br />　激しく打たれるものがあった。
<br />
<br />　「私たちも一緒にお供させていただいて、よろしいでしょうか」
<br />　「いいとも。ついて来なさい」
<br />
<br />　四人の漁師は、即座に転職を決意し、イエスの弟子となった。
<br />
<br />　ここで少し解説すると、まだ洗礼者ヨハネが生存していた頃に、ヨハネの
<br />　弟子だったアンデレが、イエスの弟子に寝返ったことは、ポイントです。
<br />
<br />　当時、ヨハネの教団は絶大な勢力を保っていたと思われる。そこに新興勢
<br />　力のイエスの教えに、アンデレが寝返り、兄ペテロと共に、弟子となる。
<br />
<br />　実際にこの時期は、ヨハネの教団をある意味、乗っ取るような方法で、自ら
<br />　の支持者を増やしていったと思われる。その後、ヨハネは処刑され、自然に
<br />　ヨハネの弟子たちは、ヨハネの遺志を継ぐイエスのもとへと流れたのでしょ
<br />　う。
<br />
<br />　また、魚が大量に捕れたという奇蹟は、魚が実際に捕れたのではなく、
<br />　信者が増えたことの比喩だと思われる。
<br />
<br />
<br />　それからの後、イエスは、
<br />
<br />　「シモンよ」
<br />
<br />　と声をかけた
<br />
<br />　「はい？」
<br />　「これからはペテロと名を改めなさい」
<br />　「わかりました」
<br />
<br />　ペテロとは岩の意である。世界の繁栄を支える力強い岩になってほしいと
<br />　いうイエスの願いで、そう名付けられた。
<br />
<br />　ペテロはまた、弟に従って、イエスの弟子となるが、この頃はまだ、ただ
<br />　イエスのそばにいて、雑用をこなすような、役割だったと思われる。
<br />
<br />
<br />　三　ピリポとバルトロマイ
<br />
<br />　ペテロたちを弟子にした翌日、イエスはガリラヤの湖畔から内陸部へと向か
<br />　い、その道中でピリポという男に会った。ピリポはギリシャ系の名前で
<br />　ある。
<br />
<br />　イエスはこの男にも、
<br />
<br />　「私について来なさい」
<br />
<br />　と告げた。
<br />
<br />　ピリポの方も、イエスについて噂ぐらいは聞いていただろうが、いきなりそ
<br />　んなことを言われても困ってしまう。仲間のナタナエルを訪ねて、
<br />
<br />　「イエスって人に会ったよ。偉い預言者らしいぞ。弟子になれって言うん
<br />　だ」
<br />
<br />　と相談した。
<br />
<br />　そのときナタナエルはイチジクの木の下に立っていた。
<br />
<br />　「イエス？、だれだ、そいつは」
<br />　「聞いてないのか。ナザレの大工のせがれで、奇蹟を起こしたりして…救世
<br />　主かもしれん」
<br />　「ナザレからいいものが出たこと、あるか」
<br />
<br />　ナザレはひどい田舎だから、ろくなものが出ないと、思われていたらしい。
<br />
<br />　「まあ、一緒に来て見ろよ」
<br />
<br />　ピリポがナタナエルを連れてイエスのところへ来ると、イエスは二人を見た
<br />　とたんに、
<br />
<br />　「ナタナエルよ」
<br />
<br />　と呼び、
<br />
<br />　「あなたはまことのイスラエル人だ。悪巧みを持たない人だね」
<br />
<br />　さながら占い師みたいにキッカリと言い切った。
<br />
<br />　初対面の相手にいきなり名前を呼ばれ、そのうえ出身地から性格まで言い当
<br />　てられては驚いてしまう。ナタナエルは自分がイスラエルの血を繋ぐ、心の
<br />　正しい者だとひそかに自負していたにちがいない。
<br />
<br />　「えっ、どうして私のことがわかるんですか？」
<br />　「わかるさ。それだけじゃない。ピリポに話しかけられたとき、あなたはイ
<br />　チジクの木の下にいただろ。私はそれを“見た”んだから」
<br />　「本当に！！」
<br />
<br />　とナタナエルは狼狽する。
<br />
<br />　「あのときそばに誰かいただろうか…」
<br />
<br />　とナタナエルは首を傾げる。誰も見ていなかったと思うのだが…。そして
<br />
<br />　「この人なら日ごろの俺の悩みに応えてくれるかもしれない」
<br />
<br />　と察知した。
<br />
<br />　イエスはさらに続けた。
<br />
<br />　「もっと偉大なものを、あなたたちは見るだろう」
<br />　「なんですか」
<br />　「天が開け、神の御使いが行き来するのを見るだろう。その日はもうすぐ
<br />　やって来る」
<br />　「本当ですか」
<br />　「私について来なさい」
<br />
<br />　イエスは深い鳶色の眼をしていたとか。じっと見つめられると、従わずに
<br />　はいられないような不思議な力を秘めていた。
<br />
<br />　「はい、わかりました」
<br />
<br />　ピリポも同音に答え、二人そろってイエスの弟子となった。ナタナエルは
<br />　バルトロマイの名で十二人の直弟子に加わっている。
<br />
<br />
<br />　四　マタイ
<br />
<br />　マタイは徴税人であった。民衆から直接、税をしぼり取るのが彼の仕事
<br />　だった。
<br />
<br />　ユダヤ人でありながら支配者ローマの手先となって税を徴収するのだから、
<br />　ユダヤ人たちのあいだで評判のいいはずがない。非情で、卑しい仕事と
<br />　みなされていた。
<br />
<br />　しかし、マタイには見所があったのだろう。イエスはマタイを見て弟子に
<br />　加えた。誘いの文句はいつも通り、
<br />
<br />　「私について来なさい」
<br />
<br />　である。
<br />
<br />　マタイも他の弟子たちと同様に、すぐさま仕事を捨て家族を捨てイエスに
<br />　従う決意をする。
<br />
<br />　「門出を祝して乾杯」
<br />
<br />　マタイはイエスを招いて盛大な宴会を催した。マタイ自身が徴税人だったか
<br />　ら、集まって来る連中にも同業者が多い。
<br />
<br />　ほかにも犯罪者まがいの、ろくでもない連中が含まれている。かねてから
<br />　イエスの足を引っ張ろうとしていたユダヤ教の律法学者たちがこれを見て、
<br />
<br />　「どうしてあなたは、あんないかがわしい奴等と飲んだり食ったりするんで
<br />　すか」
<br />
<br />　と激しく非難した。
<br />
<br />　聖人であるならば、もう少し慎むべきであろうということである。しかし
<br />　イエスはさらりとこう答えた。
<br />
<br />　「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人である。私が来たのは、
<br />　正しい人を招くのではなく、罪人を招いて、悔い改めさせることである」
<br />
<br />　まことにごもっともな答えである。
<br />
<br />　これでアンデレ、ペテロ、ゼベダイの子ヤコブ、ヨハネ、ピリポ、バルトロ
<br />　マイ、マタイの七人が決った。
<br />
<br />　これ以外のトマス、小ヤコブ、タダイ、シモン、ユダについてはどういうい
<br />　きさつで、イエスの弟子になったか、福音書は語っていない。
<br />
<br />　トマスは後にも登場するが、復活したイエスに会った貴重な弟子である。
<br />
<br />　彼には神秘的な噂があって、トマスとはアラム語で「双子」という意味にな
<br />　る。名前ではないというのだ。また別の表記には、「双子のトマス」と書か
<br />　れている。
<br />
<br />　彼はどうやら双子らしいのだが、誰との双子なのかは、福音書には書かれて
<br />　いない。これはよほど有名人の双子なので、書く必要がなかったということ
<br />　ではないだろうか！
<br />
<br />　そう考えると、双子の誰かとは、イエスその人しかいないだろう・・・（笑）
<br />
<br />　これは私が言っているのではなく、トマスに関してはさまざまな伝説がある
<br />　のです。しかも「トマスの福音書」という第５の福音書がエジプトで発見も
<br />　されている。
<br />
<br />　ここで書かれているトマスは、ペテロやヨハネよりも地位が高く、イエスに
<br />　匹敵するほどの教養と見識を持ち合わせ、別格の人物として、扱われてい
<br />　る。トマスの謎は尽きない・・・
<br />　
<br />　小ヤコブは文字通り体が小さかったらしい。
<br />　シモンは熱心党という当時の政治団体に属していたらしい。
<br />　タダイはこれといったエピソードがない。
<br />
<br />　そして最後にイスカリオテのユダ。これは後にも登場するが、イエスを裏
<br />　切ったという、たった一つのエピソードで後世に名を残している。
<br />
<br />　彼はイエスを中心とする集団の中で財務を担当していた。大蔵大臣はどんな
<br />　社会でも重要なポストである。彼はほかの弟子たちとちがってガリラヤの出
<br />　身ではなかったろう。
<br />
<br />　そうであるにもかかわらず、強い同志的結合の中で重要な役割をまかせられ
<br />　ていたのは、才覚のあるエリートだったのではないだろうか？
<br />　そんな彼がなぜ、裏切ることになるのか、それはまだ先のことである。
<br />　・・・つづく
<br />
<br />　
<br />　さて、次回の西欧の神話・歴史・宗教まとめ読みは、イエス・キリスト編の
<br />　第5話、「キリストの奇蹟」をお送りします。いよいよ、これは神が行ったこ
<br />　となのかそれともマジックなのか！！さまざまなイエスの奇蹟をお伝えし
<br />　ます。 
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>新約聖書</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-04T23:44:12+09:00</dc:date>
		<dc:creator>サカサイ　マサカズ</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
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